内容説明
リーマンにおける数学の現代的刷新については、すでに内外において数多の著書が出版されており、多くの論者がさまざまな角度から論じている。本書では、リーマンを19世紀西洋数学における「存在論的革命」の牽引的存在として位置付け、リーマンによる空間概念の刷新および現代化の数学的・思想的意義を論じながら、そのより深い層に、数学対象の現代化、特にその存在様式・存在原理の思想的転回があることを明らかにしていく。
目次
第1章 リーマンとは誰であり何をした人なのか
第2章 西洋数学の「19世紀革命」
第3章 リーマンの関数概念
第4章 リーマンの空間概念
第5章 多様体とはなにか
第6章 リーマンから現代数学へ
第7章 建築学的数学と実在論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
6
数学者リーマンについて数学者が書いた哲学書。難しくて名に書いてあるかわからない。リーマンの数学の革新性についての記載はまあなんとなく追えるがその思想についてはほぼ意味不明。数学に物自体とかって存在論とか実在って関係ないでしょ。というのは現代数学の形式主義全盛の立場なのかも。リーマンの時代、19世紀は数学と哲学が共存していた最後の世紀とのこと。リーマン以前は二兎が実際に認識している3次元空間上の現象を対象としていたが、リーマンは教授資格講演でぶち上げた多様体は内的に存在し計量は経験的に付加可能な様式である。2024/12/28
hryk
0
リーマンの数学者としての業績をたどりながら数学思想上の意義を明らかにする書。関数の把握の仕方の革新として、面による関数把握という着想を生み出したリーマンは、面の存在論的問題に直面し、感覚表象から独立であるより一般的な数学的対象である多様体を考案するに至る。こうした仕事は、それまでの数学の特徴であった計算や量を中心とした数学から、概念的思考しての数学へとシフトしているという点で革命的なのである。2018/12/17
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