内容説明
本書はよく見られる脳の数理モデルに関するものではなく、脳の中に数学そのものを見出すという視点で書かれている。文体もできるだけ平易に、また随所に脳のダイナミクスの意味を解明するために必要な数学が何であるかを明記している。また、研究者に関するエピソード、個人的経験、裏話なども適宜盛り込むことで、「楽しんで」読めるように工夫した。数学と諸科学の連携の書という位置づけである。
目次
第1章 複雑系と脳科学の交差:数学の役割
第2章 力学系ミニマル
第3章 天気予報のカオス―ロレンツカオスをめぐって
第4章 非整数次元
第5章 脳活動のダイナミクスとカオス
第6章 アトラクター崩壊によるカオス遍歴とその脳機能への役割
第7章 ヒトが論理間違いをする理由―カオス力学系の観点から
第8章 認知の限界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruki
4
複雑系としての脳の理解に向け、脳の機能に対応した状態の変遷や生成をアトラクター間の遷移と読み、カオス遍歴として定式的な理解を試みる。例として、海馬の脳波変化の説明モデル=カオス遍歴と記憶との相関や、嗅覚がにおいを認識し、におい記憶とのマッチングを探る際の電位変化がカオス遍歴モデルで理解できることを取り上げる。また短期記憶や論理的整合性が時間枠の概念に関わる点について、ステップ推論として差分方程式による論理値命題の拡張的理解を試みる。概要説明のみで深く理解は難しいが核心に迫りたい気持ちが乗った表現が光る。2023/11/02
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