内容説明
人間活動と生態系に関する諸問題について、応用生態学の分野で活躍する17名の研究者が基礎から応用的側面まで含めて概説。今後の生態学は、基礎的な生物学に留まらず、人間社会を扱う境界領域が発展していくことが予想される。本書はこの領域の充実に寄与し、生態学の社会貢献を加速するための一助となるだろう。
目次
人間活動の歴史
生物多様性の危機
都市の自然環境
二次的な自然環境
生息地の分断化
農業の特性と生物の応答
林業の特性と生物の多様性
漁業の特性と生物の適応
環境汚染と生態影響評価
外来生物の生態学
野生生物資源の管理と持続的利用
生態系の保全と再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
1
本書のタイトルから安易に想像されるのは、人間活動がいかに生態系を乱しているかという告発の書であり、脱人間中心主義、自然礼賛を説く書物であるといったことであった。もちろん、そういう視点がないわけではないが、そのこと一辺倒でもない。それによって、感情論ではなく、冷静に真摯に事実を探求し、未来につなげようとする姿勢の重要性を教えられたような気がした。人間にとって重要なことは、持続可能な社会を築くことであり、そのために、生物多様性の維持は不可欠である。そしてそれが、農業を含めた人間活動とどう影響し合い、→(2)2020/01/23