内容説明
「日本刀は武器なのか芸術品なのか?」といった問いに向き合わず、武器=破壊=悪/文化=創造=善という二項対立を声高に唱えてきた敗戦国日本。しかし、その単純な二項対立は、特殊な現代日本イデオロギーにしか過ぎないことが鮮明になりつつある。本書は、武器と文化の不可分な関係をあらゆる時代や事象から、面白くかつ説得的に述べることで、新時代に必要とされる戦争論や軍事論の基礎的な知識を提供する、戦争文化論である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
111
マーチン・ファン・クレフェルトの『戦争文化論』にタイトルが似ているなと思ったらしっかり参考文献に入っていたよ。キリスト教が日本軍の占領地慰撫に協力していたとか、非専門家で知っている人がどれほどいるものか。「戦争と平和」は二項対立するものではないと著者の意見に賛同する。平和と戦争は光のスペクトルの如く連続しているのものだから。兎に角、啓蒙されるとはこのことかと思わせる一冊である。2023/05/10
榊原 香織
67
読み易い。 ビックリ兵器、第2次大戦、イギリス軍のカーペットレイヤー(カーペットを敷く機械) インドシナ戦争の犬のパラシュート部隊、4つ足で上手に着地したそう。 様々な技術が発明されるとすぐ軍事利用され、それで発展する。 人間っていったい何なんだろう。 言語、など、人文系も武器と言える2022/01/11
サケ太
20
非常に興味深い1冊。題名や表紙の言葉には納得してしまっているが、形のある者だけが武器とは限らない。言語、文化、武器と形容するにも憚るものから、言われてみれば「武器」と呼べるのかもしれないと納得するものまで。なんにでも武器になりうる。武器として活用しうる。『何よりもまず、私たち自身が武器であり、凶器だったのだ。この世のさまざまな武器も、あるいは武器ではないように見えるものも、実はどちらも私たち自身の投影のようなものかもしれない。』。平和とは何か。いつだって人を傷つけ得る自分がどのようにそれを得られるのか。2022/04/10
Akito Yoshiue
11
目から鱗が落ちまくる良書。目の付け所がいいし、文章がとにかくわかりやすい。最後の方がやや駆け足だが、とても読み応えのある一冊だった。2022/05/09
あんぽんたん
4
表紙を見ると刃物や鈍器が並んでおり、そういった類のものが歴史上どのように武器として扱われるようになったのか、そんな内容の本だと勝手に思った。しかしそんなことは全く書かれておらず、そもそも武器とそうでないものの違いを突き詰めていく。いい意味で期待を裏切られた。結果、それらの境界がいかに曖昧かを認識させられる。平時、武器を使って金稼ぎなんぞ悪魔の所業と感じても、実は自分がやっている仕事も戦時には武器になりえるのである。最後のまとめも示唆に富んでおり、本全体がキレイにまとまっている面白い本2021/11/08
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