内容説明
タクシー業界の売り上げは各社とも、2019年からの昨対比で最大50%超の減少、身売りや従業員の強制解雇を強いられた企業も出た。
さらにタクシー運転手の平均年齢は60.1歳と超高齢化(2018年時点)。2015年に全国34万人いた乗務員の数は、2020年には28万人と激減している。
こうした市場縮小のさなかに訪れた新型コロナウィルスというさらなる厄災、それによる東京五輪特需やインバウンドの霧散……未曾有の苦境をタクシー業界はいかにして乗り切ったのか。
ほか、外国人、女性、二束草鞋など、多様化していくドライバーたちの働き方と自由化問題、そしてロイヤルリムジン600人解雇騒動のその後、白タクの跋扈、配車アプリの台頭問題にも迫る。東洋経済オンライン人気連載を大幅加筆した渾身のルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
61
著者は東洋経済オンラインで「流転タクシー」を掲載しているノンフィクションライターの栗田シメイ氏。市場縮小のなか訪れた新型コロナの厄災、それによる東京五輪特需やインバウンドの霧散など、タクシー業界はいかにして苦境を乗り切ったのかを多くの取材から迫ったルポ。また、外国人・女性・二束の草鞋といった多様化していくドライバーたちの働き方と自由化問題、野放し状態の白タクの状況、配車アプリの台頭問題にも焦点を当ててます。タクシー大手4社の通称は「大日本帝国」(大和自動車、日本交通、帝都自動車、国際自動車)だそうです😅2023/04/25
おいしゃん
26
都内、大阪、名古屋、成田空港と、場所によってタクシー事情がこうも違うものかと興味深かった。さらに、女性、外国人、1,000万プレイヤーなど、個性的な運転手も取り上げられたうえで、さまざまなドライバーの背景も窺えて、コロナ禍での苦しいタクシー業界がよくわかった。2022/05/24
たこ焼き
9
堅実に稼ぐなら大手(無線、チケット利用があるため)、リスクとっても好き勝手やりたいなら中小。タクシーの営業体系は1昼勤(8時間)2夜勤(1の夜ver)3隔日勤務(20時間近く働き月12日のみ)がある。歩合が強いと無線が少なく、歩合が弱いと無線が多い。東京は無線、チケット利用が多いのでその恩恵を得られる大手が強い。タクシードライバーの年休は愛知は東京に次ぐ2位(地下鉄が不便で、トヨタ経済圏で余裕があるので乗ることが多い)トヨタがダメになるとトヨタ関連の従業員がタクシー業界に流れてくる。2024/07/08
こけこ
3
二種免許を持っている私は、タクシー業界にも興味があって、手に取ってみた。いろいろなタクシードライバーの生の声が盛り込まれていて良かった。一方向からではなく、多角的な視点で見れた。コロナ禍でのタクシー会社は、本当に大変だったと思う。これから、タクシーに乗るたびにドライバーさんの歴史を気にしてしまうかもしれない・・・。2023/01/13
Teo
3
COVID-19でさぞやタクシー業界は大変なんだろうなと思っていたが、具体的にどれだけどんな感じで大変なのかを知りたくて買った。確かに東京の大手も大変だと言うのが分かった。後半に近づくにつれて個別の人の事情の話が多くなって、そう言うのはいいからと感じた。読んだのが今年の春以降なので、身の回りの駅前のタクシーは結構人が乗ってる感じでこの本が取材された頃よりは良くなってるのだろうと思う。2021/11/10




