ハヤカワ文庫NF<br> 知ってるつもり 無知の科学

個数:1
紙書籍版価格
¥1,100
  • 電子書籍
  • Reader

ハヤカワ文庫NF
知ってるつもり 無知の科学

  • ISBN:9784150505783

ファイル: /

内容説明

自転車や水洗トイレの仕組みを説明できると思いこむ。ネットで検索しただけでわかった気になりがち。人はなぜ自らの理解を過大評価してしまうのか? 認知科学者のコンビが行動経済学やAI研究などの知識を結集し、「知ってるつもり」の正体と知性の本質を明かす

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

38
タイトルだけだと自分の知識を過大評価するバイアス系のよくある内容だと思っていて確かにそのことも多く含まれているが、知識の環境依存や身体性を認知心理学、社会心理学的に考察している深いと思える内容だった。日本語版タイトルで損をしている思える一冊。最後に現実把握の精度の高さも、あえて錯覚の中で生きることも両方大事だと述べていてその通りだと思える。「私たちはどう学んでいるのか」で紹介されていて手に取った。2022/08/16

Shun

33
”私たちはなぜ自分の知識を過大評価するのか?”、冒頭で一つの例が示される。第五福竜丸や近隣島民にまで被爆が広がったビキニ環礁での水爆実験、驚くことにこの被害規模は高度な知性を持つ科学者たちの想定を遥かに超えていたそうな。この例が示すのは自分が知っていると考える以上に無知であるということ、そしてこの問題がいかに看過できないかもこの例一つで十分だ。また昨今はフェイクニュースなどデマの氾濫が問題となり、それを信じてしまう人には情報を否定するためのリテラシー不足も明らか。これらの問題にとっても本書は啓蒙書となる。2021/10/02

Arisaku_0225

25
人間は大抵は無知で知らないことをさも知っているように振る舞うという耳が痛い話をしているのにも関わらず全くもって嫌な気分はしない。いや読了後には謎の爽快感まである。我々は無知だ。トイレの流れる仕組みさえ私は知らなかった。しかしそれでも日常生活が成り立っているのは何故だろうか?それは我々は1人で生きている訳では無いからだ。正に「人」の由来で良く言われるように、人と人が限りある知識を共有しながら世界は回っているのだと言う。そのように考えると「賢さ」というのも違って見えてくる。ただ漠然と博識だからとか問題解決能力2023/02/03

原玉幸子

22
認知科学とはどういう学問かが分かる点では読んで損はありませんが、『無知の無知』などは今期●非推奨の『見えないものを見る』と同じかぁ…とのネガティブな印象にも繋がり、文庫400頁の長さに耐えられませんでした。して、「認知科学とは何ぞや」は、経済行動学やもっと極端には進化心理学にも関わる題材の気がします。本の内容には、(何で言及されていたか思い出せない!)「ナッジ」は記憶すべき用語、其々の題材には、一著述者では説得力不足(☞参照書)、博士号取得ぐらいは経て発信すべき(☞本書)と思いました。(●2022年・冬)2022/12/10

よしどん

18
内容はとても興味深くどの章も情報量が多くて、読み飛ばすことができなくて読み終わるのに時間がかかってしまった。最近自分がいろんなことを知らないと気付かされることが多く、少し気になっていたが、多くの人が同様だと思い、少し安心する。昔、他人に教えるのも勉強だと言われて、そんなものかと思っていたが、説明することで自分がわかっていないことが明らかになり、もっと深く勉強するようになると理解した。2022/11/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18345537
  • ご注意事項