内容説明
『怪奇大作戦』の終了から2年。
栄光の〝タケダアワー〟からの脱落、金城哲夫の不在、円谷英二の死…
逆風が吹きすさぶ中、円谷一以下のスタッフは、もがき苦しみながら新番組の制作に挑んだ。
そして1971年4月2日、ついにウルトラマンが復活した。
『帰ってきたウルトラマン』第1話「怪獣総進撃」は、巨匠・本多猪四郎を監督に迎え、充実したドラマと特撮で26.4%の高視聴率を獲得した。
円谷プロが、夢の映像工房としての輝きを取り戻した瞬間だった。
だが、それはさらなる苦闘の始まりに過ぎなかった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
放送時1970年代初頭の時代背景や当時の円谷プロの状況、ミラーマンを初めとする他番組との比較等に多くのページが費やされている。それはそれで興味深い所では有るのだけれど、前4作に比べると作品自体に対する検証という意味では少々物足りない気がした。ただあくまで前4作に比べると、という意味であり決して面白くない訳では無く、読み手として欲をかきすぎているということなのかもしれない。Aにタロウと第二期ウルトラシリーズへの意欲をみせる著者、次作もまた楽しみです。2021/05/10
keroppi
70
「ウルトラQ」から「ウルトラセブン」まで、熱狂していた私も、この手の番組からそろそろ卒業かという年齢になっていた。スポ根ものやその他のドラマに興味が移って行ったのは、この本に書かれた時代背景のまんまだった。それでも特撮大好きな私としては「帰ってきたウルトラマン」を追いかけていたはずなのだが、それまでの作品とは違う何か重いテイストに気持ちは離れていったような気がする。この本は、何故そういう作品だったのかを上原正三を中心に語ってくれる。今、もう一度見直して、その時代を振り返ってみたい。2021/05/31
kei-zu
22
この歳になっても、困難に直面した時に胸に浮かぶのは、夕陽を背にして立つ、帰ってきたウルトラマンの雄姿だ。 本書は、60年代の世情を背景に、企画の立ち上げから視聴率対策の試行錯誤をつまびらかにする。 スポ根ものから新兵器ブレスレットの導入。恐竜型怪獣の連続出演から宇宙人・怪獣のセットマッチへ。そして、初代マン、セブンとの共演!一貫性がないといえば悪く聞こえるが、その幅の広さが本作の魅力であるに疑いはない。 郷さん、「ウルトラ5つの誓い」、今でもちゃんと守っていますよ!2021/04/24
makimakimasa
10
66年の初代マンが平均視聴率36.8%、68年の再放送でも18%台と高く(70年にも円谷プロはTBSにペナルティ払ってフジで再々放送)、まず69年に『続ウルトラマン』の企画が持ち上がり、それが当時流行っていた『帰って来たヨッパライ』等に触発されて、71年に結実。ボディの二重線は版権営業上の問題から急な変更となった。平均22.7%は、同時期放送の『仮面ライダー』20.6%には勝利(最高視聴率では負ける)。劇中歌『花・太陽・雨』の採用は萩原健一と市川森一が親しかった事による。『ミラーマン』の件は不要だった。2025/07/12
qoop
10
低迷期を抜け復興を遂げようともがく円谷プロ苦闘の時期をウルトラマンの復活に重ねて描出した本書。時代の潮流の中で短期間に明確な世代交代を果たした製作陣の継承と新生の意識を、資料とインタビューを通じて浮き上がらせようとした力作。特に「帰ってきたウルトラマン」初めこの時期の特撮テレビドラマが如何に時代と沿っているかを考えさせられた。関係者の物故が続く中で証言を集めて突き合わせ考証する、本シリーズの基本姿勢を貫くことが如何に難しいことか。今というタイミングを逃すと成立しない企画かも知れないと改めて思わせられる。2021/05/04
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