講談社学術文庫<br> 新視覚新論

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講談社学術文庫
新視覚新論

  • 著者名:大森荘蔵【著】/野家啓一【解説】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2021/09発売)
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  • ISBN:9784065249444

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内容説明

「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」

見たり聞いたりする知覚の風景が自分の「心の中」にある心象風景だと感じる人はまずいないだろう。しかし、痛みや気分、悲喜の感情、思い出や希望、空想や妄想、そして意志といわれるもの、これらはまぎれもなく自分の「心の中」のものだ、と人は感じている。

しかしそれは、人が抱く根本的な事実誤認ではないか? 

世界そのものが悲しく喜ばしく恐ろしく、回想や希望も現在も、常にひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われなのである。

このことを、光学虚像や幻覚・幻像、時間と空間、幾何学、芸術、自由と意志などさまざまな角度からていねいに論じる。陥りがちな誤解をほぐしながら、日常と科学を重ねながら、「世界の一項目としての私」を「世界のあり方としての私」に組み変える。

世界そのものが、悲しく喜ばしく恐ろしい。
こうして「私」は抹殺され、私が復元されたのである。

解説: 野家啓一


本書の原本は『新視覚新論』(東京大学出版会、1982年)です。


【目次】
1 見ることと触れること
2 見えている
3 何が見えるのか
4 「表象」の空転
5 鏡像論
6 過去透視と脳透視
7 空間の時間性
8 自由と「重ね描き」
9 言い現わし、立ち現われ
10 心

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ex libris 毒餃子

10
大森荘蔵哲学の骨子が詰まっているような内容。視覚認識の客観性を排して、最終的には空間と時間の客観性も排している。そして、心の客観性も排す。主客一元論的な「立ち現われ」論を展開する。他の本よりも述語が学術的なので、逆にわかりやすかった。しかし、科学哲学なので科学の知識はある程度、要する。2021/09/16

十文字

1
文庫にて再読。 若かりし頃に読んだ本書の単行本はA5版で函装だったのだけど、まさか文庫になるとは。 大森哲学の最高峰と言われる書物。2022/10/13

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