文春学藝ライブラリー<br> つわものの賦

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文春学藝ライブラリー
つわものの賦

  • 著者名:永井路子【著】
  • 価格 ¥1,500(本体¥1,364)
  • 文藝春秋(2021/09発売)
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  • ISBN:9784168130946

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内容説明

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代、
鎌倉武士たちのリアルな姿を描き出した面白さ抜群の傑作歴史評伝。

「ここで私は、大小いくつかの作品で扱ってきた鎌倉時代に対する一つの決算書を書いた。」(あとがきより)

『炎環』『北条政子』で鎌倉幕府成立の時代を小説として描いた後も、
『吾妻鏡』を何度も読み返し、この時代を【大きな変革の時代】として位置付けてきた永井路子氏。
その盛り上がりの中核にあるのは、外からの力でも、源頼朝個人の挙兵ではなく、
東国武士団の行動として捉えた時、歴史的な意義が明確に見えてくる。
本書は、永井氏が鎌倉時代を扱った一連の小説の原点であり、帰結でもある。


序章  嵐の中への出発   治承四年八月
第一章 中世宣言      三浦義明の場合
第二章 空白の意味するもの 上総広常の場合
第三章 功名手柄      熊谷直実の場合
第四章 東国ピラミッド   源平合戦の意味
第五章 「忠誠」の組織者  梶原景時の場合
第六章 大天狗論      東国対西国
第七章 奥州国家の落日   征夷大将軍とは何か
第八章 裾野で何が起ったか 曽我の仇討ちにひそむもの
第九章 血ぬられた鎌倉   比企の乱をめぐって
第十章 雪の日の惨劇    三浦義村の場合
第十一章 承久の嵐     北条義時の場合
あとがき

※この電子書籍は一九八三年七月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃいろ子

41
絶賛放映中のドラマが更に楽しくなる、いや、ドラマ抜きにしても読み応えのある素晴らしい1冊でした。 今までは西国の為に無料奉仕するしか無かった身分の坂東武者たちが如何に立ち上がったのか。 永井さんは頼朝の挙兵より前、三浦が立ち上がった時が節目、そこが「東国武士団の旗揚げ」始まりの時だと。 母方で育てられるのが普通だったので異母兄弟は他人も同然。 乳母の絶大な力など、その時代を知らなければ歴史の流れも理解することはできないと。 歴史の浅い波間を漂うばかりだった私にとって、大興奮の1冊だった。2022/08/03

翔亀

38
【中世9】小説家のエッセイにしては力の入った歴史書だ。「吾妻鏡」などの史料を読み込んで独自解釈を含めた鎌倉時代論(中世政治史論)を展開する。事実、「富士の巻狩り」についての「吾妻鏡」解釈はのち坂井孝一が曽我物語の新解釈として展開するし、彼女の実朝暗殺三浦義村首謀説はのち呉座勇一が正面から取り上げて反論している。1978年初刊の本書は歴史学界に確かなインパクトを与えたのだろう。■内容的にも単に政治史の表面をなぞるだけでなく、西国に抗する東国という構図であるとか、武士団のヒエラルキー組織論であるとか、↓2022/02/27

MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

14
NHK大河『鎌倉殿の13人』を見た後再読。鎌倉時代初期を復習した。源頼朝の死後、三浦義村と北条義時の暗闘とそれに続く承久の乱。歴史を読み解く知的興奮を味わう2022/01/10

のれん

10
平家敗走から承久の乱まで、頼朝から義時までの鎌倉殿を中心に吾妻鏡を紐解き、権力闘争構図を再構築する歴史評伝。 作者は小説家として多分な想像力で図式を作っているが、『西国対東国』という目線でどの集団にも依怙贔屓しない。 平家打倒、義経追討、奥州藤原氏滅亡、曽我物語の仇討ち。それ以外の闘争も含め、これらは本来の目的のために引き出された外聞のための目的に過ぎない。 源氏、北条家共に黎明期は不安定で鎌倉は何度も崩壊あるいは中心が入れ替わりかけた。 後世が作る選ばれた君主が存在しないことをエンタメ風に示した秀作。2021/09/09

MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

6
「鎌倉殿の13人」を見た後この本を読んで復習するのが今最高に楽しい☺2022/09/10

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