中公文庫<br> 命の版木

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中公文庫
命の版木

  • 著者名:植松三十里【著】
  • 価格 ¥691(本体¥629)
  • 中央公論新社(2021/08発売)
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  • ISBN:9784122054578

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内容説明

仙台で無禄厄介の林(はやし)子(し)平(へい)は、江戸・蝦夷・長崎を訪れ見聞を広め、海防の必要性を著すが、老中・松平定信から本・版木の回収を命じられる。子平は、版木の彫師お槇(まき)と二人で『海国兵談』の完成を目指すが、幕府の監視は日に日に強まり、二人は命をかけて版木を彫ることになる……。第15回中山義秀文学賞受賞作『彫残二人』改題。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

141
林子平、全く知りませんでした。『三国通覧図説』『海国兵談』を書いた人。その『海国兵談』を書いたことで、当時の幕府から禁書扱いを受け、追われる身に。自分の信じた道を信じて、命をかけた愛の逃避行。スリリングな展開で、読んでて何度、心の中で「捕まるなあ」と叫んだことか。物語に、がっつり引き込まれた。林子平、無念だろうな。死後、評価されるのだから、その先見の明はすごい。生きてるうちに評価されてほしかった。子平が死んで、初めて子平のことを理解できた兄の嘉膳。後悔しながら生きていくんだろうな。切なく悲しい物語。2025/07/08

ぶんこ

49
著者のエッセイを読んで読みたくなった本でしたが、とても良かったです。植松さんの本の特徴である読み易さと、林子平が実在の人物だっただけに臨場感?があって一気読みでした。ロシアからの侵略の危うさに気付き「海国兵談」を書き上げ、国を守る為に世に知らしめようとしたが、権力を握る松平定信と林大学頭に妨害され捉えられ、失意の内に病で亡くなる。その無念と、助けたお槇の最期の覚悟を思うと涙が止まりませんでした。正しいと信じる信念の人の靭さと、それを一緒に信じて支える周囲の人々のつよさも素晴らしい。2017/04/05

誰かのプリン

19
開国兵談を著した林子平。時の老中松平定信に進言したのにも拘らず、御上を批判し市中に不安を煽るとして焚書にされた。その無念を思うといたたまれなくなりました。 良い本でした。 2017/07/01

ロマンチッカーnao

18
松平定信より禁書扱いを受け、出版できなくなった海国兵談を命をかけて書き上げ出版した林子平。その版木を命をかけ掘り上げともに出版した妻の槇。なぜ、そこまでと思うけど、そこあるのは志のみ。この国のために、命をかけて出版という形で情報を伝えようとした二人の行動はハラハラと品あら読みながらも感動します。もっと売れて良いのになっておもう一冊でした。2024/02/11

ふみえ

6
今も言論弾圧はあるが、弾圧する側される側双方の執念が半端ない。ここまでするほど悪いことかと常々思わされる。せめて子平が存命中に名誉回復されたなら救われる。残された兄の無念、悲しみを増す。2016/01/27

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