格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

  • 著者名:石井光太【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 日本実業出版社(2021/08発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784534058706

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内容説明

所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差……、いま日本社会は「格差」という地雷に埋めつくされています。

著者は、世界と日本の貧困、格差の取材を重ねているノンフィクション作家。これまで、10代から20代前半の学生を対象に、講演を通して「日本における格差」について伝える活動もしています。
その理由は、これ以上格差が大きくなれば、日本社会が取り返しのつかない状況に陥るから。格差は「分断」へ行きつくといいます。

たとえばアメリカでは、「白人/マイノリティー」に留まらず、「都市/地方」「高所得/低所得」といった多数の分断を引き起こしました。選挙が近づくと、国内で双方がお互いを罵ののしりあう姿が見られ、それが衝突にまでつながることもあります。

格差が拡大し、階層の断絶が深まっているからこそ、私たちはいま、「自分とは違う階層」の現実を知る必要があるのです。

そこで本書では、7つの格差構造と、ひき起こされつつある分断を具体的に紹介。

「知っている」と思っている人ほど知らない「日本社会の問題点」と、我々がいま何をすべきかが見えてきます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

112
毎度の事ながら、著者の本を読むと、身につまされる感覚になる。自分の知らない世界(自分の境遇と違うレイヤー)で何が起きているのか、またこれからどんな社会になってしまうのか。タイトルのとおり、未来を担う16歳の方に向けて書かれているが、その前提として、大人がどれだけ現実を直視し、未来のために改善しようとしているかが大事になってくる。自分の子供の将来を真剣に考えれば考える程、先送りできない事案が山積しており、親の責任の大きさを、改めて自覚させてくれた一冊となりました。2022/05/08

きみたけ

73
著者は、国内外の貧困・児童問題・歴史などをテーマに取材、執筆活動を行なっている石井光太氏。副題に気付かなかったのですが、高校生向けに訴えた本です。若い子の売春など際どい内容が出てくるのでドキっとします。電話オペレーターやコンビニ店員などはその職業をどこかで低い存在だと見なしている節があり、格差の下位に位置づけられる職業であればあるほど、そこで働く人々にのしかかる精神的な負担は大きくなるそうです。障害者と健常者の間の溝を取り除こうとした「シェア金沢」の取組は、今後良い歩みよりのきっかけになると思いました。2021/11/08

いっせい

60
所得、男女、家庭、国籍、障害、世代。日本が抱える格差の問題について、それが生まれる構造を、実際にあった事件を交えながら、わかりやすく解説。(関ジャニ∞の横山君についての話は、知らなかったので、衝撃だった。)外国人労働者が増え続ける中で、その子どもの不就学という問題がある事は知らなかった。それぞれ、時代や政治的背景が複雑に絡み合って、格差が生まれているのが、よく理解できた。そんな時代を生み出しているのも、社会の一員である私達。貧困が生み出す事件の裏側には社会的な問題がはらんでいるという事を想像する力だ。2021/09/30

フム

40
「日本社会はさまざまな『格差という地雷』に埋め尽くされている」と冒頭に筆者は言う。教育格差、世代間格差、男女格差…こういったものへの手当がされないままに、社会の分断は進んでいく。特に恵まれた環境に生きている若者にとっては、貧困の連鎖の中でもがく同世代がいることなど、想像することもできないだろう。そんな溝がこの本を読むことによって少しでも埋まれば、という筆者の強い思いを感じた。長く現場を取材し、外国人ギャングやヤクザと膝をつきあわせて話を聞いてきた石井さんだからこそ書ける、迫力ある事例に驚きつつ読んだ。2021/12/18

kum

35
若い世代向けだが、勉強になる本。所得や職業、家庭、男女、国籍、福祉、世代。これらの格差と分断により起きている社会の深い亀裂。根っこの問題を正しく理解していなかったことも多くあった。「格差社会の中では、自分のいる世界だけで世の中のすべてをわかっているように思い込み、相手の気持ちに反するような言動によって心を傷つけてしまいがちだ。」見て見ぬフリをすること、今のままが楽だからと変化を起こさないこと、大人が若者の未来より自分たちの安泰を優先してきたこと、数々の怠慢が生んだ今の社会を大人は反省しなくてはいけない。2022/03/01

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