内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
アニメーターの世界を歩くための ゆるくてシビアな業界入門書
市場規模2兆円に成長したアニメ業界。
しかし、そこで働くアニメーターたちにはいくつもの問題が山積みとなっています。
長時間労働・低賃金、深刻な人手不足、分断されるアナログとデジタル、作画崩壊、放映落ち……。
社会問題にすら発展したアニメーターの働き方と現実を、
人気作画監督・西位輝実の実体験と取材をもとに伝える業界入門書!
インタビューに3名が登場!
入江泰浩(一般社団法人日本アニメーター・演出協会代表理事)
ロマン・トマ(『キャロル&チューズデイ』アートディレクター)
麻生秀一(『メカウデ』TriFスタジオ代表)
▼著者名
西位輝実(著)、餅井アンナ(著)、死後くん(イラスト)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
出世八五郎
17
中国やNetflixなどに日本のアニメーターが引き抜かれてる記事を見ゆ。本書では、少しずつアニメーターの地位向上させ給与も安定させようとしているらしい。著者が業界での最初の給与が2800円(?)だった。日本が海外で稼げる漫画やアニメはもう少し・・・それ以上に単価を上げて花形職業にする努力が必要だと思う。本書でアニメーター(原画、動画)の仕事は分かるので就活生は一見。アニメーターのほとんどはフリーランスで、騙して働かせてるような状態はどうなん?2020/02/18
唯月
13
実情を知れて、物凄く勉強になる。アニメーターに興味を抱いていたので、その仕事内容や現状を知る為に本書を手に取った。読了後は当初の淡い期待は微塵も残っていない。初給なんて超絶低いし、冷水を浴びた気分。今は人手不足故に絵が下手な人も採用され、上手い人に皺寄せがいって現場はカオスだが、今後は給料が段々と上昇して現場の状況も良くなっていくらしい。アニメーターは会社に出入りしているが社員ではなく、また彼ら自身がフリーランスだと気づいていない事実にも瞠目した。デジタル云々の問題もあるが、結局は自身の絵の上手さが大切。2024/10/17
akihiko810/アカウント移行中
10
図書館本。アニメ業界労働の実態を、アニメーターの人にきく本。印象度B+ 業界目指す人は必読の内容だった。/作画監督の地位が下がっている。作監が10人もいる回は現場がめっちゃやばい / アニメーターの初任給は2800円/月。月300枚(動画1枚200円)で6万円。休みなしで1日10時間労働 /拘束費(専念して下さい料)が出て初めて「食える」 など。思ってた以上に新人時代はきつい業界のようだ2020/09/05
Mr.Hiyoko
6
業界に勤めてる身として「少しづつ良くなっている」と呑気にしてられる程の余裕を持って読むことは出来なかった。仮に10年後に向けて少しずつ良くなっていくのだとして、その10年で何人が犠牲になるのだろう。なんでそんな落ち着いてられるの。「社内にいるフリーランス」それは「社員」。厚生年金も健康保険も本当は受けられる。仕事道具機材も会社負担で用意してもらわなければならない。58p「それは社員じゃないですか?」。「一見そう思うじゃない?」じゃなくて、ソウナノダヨ。偽装請負って言葉を一回くらいどこかで出してほしかった。2020/02/09
臓物ちゃん
5
「新人アニメーターのほとんどは自分がフリーランスだと気づいていない」だとかいちいち戦慄しっぱなしの、アニメーターのダークなお金事情をとことん解説した社会人並びにアニメオタク必読の書。ひどい…!ひどすぎるっ……!こんな話があるかっ…!そりゃ手塚治虫の時代からアニメーターは3Kだったが、近年はさらにややこしいことになってるせいでアニメの質まで落ち始めてウギギ!助成金の10万円でアニメの円盤を買わねばと決意させる一冊。2020/05/03