エーコ『薔薇の名前』 - 迷宮をめぐる〈はてしない物語〉

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エーコ『薔薇の名前』 - 迷宮をめぐる〈はてしない物語〉

  • ISBN:9784766425598

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内容説明

巨人(エーコ)の肩の上から望む「中世」の景色
『薔薇の名前』の緻密な物語は、ディテールを押さえてこそ楽しめる!
本書では、エーコの想像力の源泉にして「舞台装置」である中世ヨーロッパを、背景知識から丁寧に解説。
知の巨人が綿密に作り上げた「中世」の世界を、鳥の目と虫の目を通じて読み解いてみよう。

目次


 『薔薇の名前』の解読
 『薔薇の名前』と西洋中世研究
 エーコと「中世」との距離
 美学から記号論へ
 知の巨人エーコ、小説を書く

Ⅰ 『薔薇の名前』の舞台
 物語の枠組み
 プロローグ──時代背景
 宗教と政治──教権と俗権の対立
 宗教と社会──異端と教会改革
 民衆的異端の拡大──ヴァルド派とカタリ派
 托鉢修道会の成立──ドミニコ会とフランチェスコ会
 一四世紀における聖俗権力の対立構図
 中世の世界へ──舞台としての修道院
 修道院の建物の配置──ザンクト・ガレン修道院の平面図
 修道院の生活──『聖ベネディクトゥスの戒律』
 吹きすさぶ雹──アデルモの死
 血の甕──ヴェナンツィオの死
 迷宮の謎
 アドソの冒険
 茶色く変色した指と真黒な舌──ベレンガーリオの溺死
 再び迷宮へ──〈アフリカノ果テ〉
 渾天儀──セヴェリーノの惨殺と「奇妙な書物」の行方
 異端審問官ベルナール・ギー
 千匹もの蠍の毒──マラキーアの死
 『キュプリアヌスの饗宴』
 〈四ツノ第一ト第七デ〉
 ホルヘとの最後の対決
 世界燃焼──崩れ落ちる図書館
 最後の紙片
 言うまでもなく、中世から 

Ⅱ 『薔薇の名前』の構造
 『薔薇の名前』の読み方
 メルクのアドソ
 バスカヴィルのウィリアム
 『ヨハネの黙示録』とアドソの幻視
 修道院の殺人と『ヨハネの黙示録』
 ブルゴスのホルヘ
 笑いと破壊、あるいは神聖なる秩序の行方
 イマジネールの怪物たち
 バベルの塔としてのサルヴァトーレ
 村の娘とアドソの恋
 迷宮としての図書館
 始まりと終わり──タイトルとその意味

Ⅲ 『薔薇の名前』の世界への鍵
 写本と羊皮紙
 巻物から冊子へ
 写字室と写本の製作
 読むことと眼鏡
 聖なる読書から学者の読書へ
 写本製作の新時代
 紙の製造
 異端の烙印
 「キリストの清貧」をめぐって
 『ヨハネの黙示録』と終末論
 異端審問と刑罰
 異端審問記録の作成・保管・利用
 ある異端審問記録の数奇な運命
 失われてしまった写本をめぐる物語
 書物は何を伝えるか──世界を読み解くとは?


参考文献
あとがき
図版出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

20
『薔薇の名前』は、随所に記号論的分析、聖書分析、西洋中世研究、文学理論をふんだんに盛り込んだ小説である。ミステリー、探偵小説、歴史小説のいずれにも読むことができる、重厚な作品だ。この本はそんな『薔薇の名前』を、わかりやすく丁寧に紐解いてくれる良書であった。それもそのはず、まず参考文献の数が異様に多い。こんなにたくさんの本を参照したからこそ、こんなに興味深く読める専門書を書けたのだなと納得した。『薔薇の名前』が好きな人には是非読んでほしい一冊。この世界にまたもや誘われること間違いなし。★★★★★2022/11/07

kakoboo

10
薔薇の名前が100ページくらいでとまってしまったので、こちらにシフト。 原作も100ページくらいまでが難しくて編集者からしゅうせいするようにと言われたが、エーコかそれを拒否したみたいなので安心しました笑 中世を中世から語る試み、作品内に散りばめられたしかけ、そしてその当時の背景が学術的かつわかりやすく書かれていました。12-13世紀のみならずそれ以降に与えた影響や、20世紀になってわかったことなど、なんというかロマンを感じるものがありました。20年近く昔ですが世界史を勉強していたのが助かった… 2022/09/26

ettyan えっちゃん

9
薔薇の名前本編の再読の前に、研究所を手に取るが、これがすこぶる読みやすくて面白い。なんだ、これなら本編いらないじゃない(失礼)というぐらい、詳細で物語のアウトラインもなぞってくれるので、本当にわかりやすいし、読みやすい。図も豊富で、細かなところに手が届く解説なのでおすすめ。2024/05/06

5
薔薇の名前について詳しい解説をしてくれている。でもその解説すら私にはまだ難しい。だから飽きないんだろうな。薔薇の名前もまた読もう。大好きなショーンコネリーの映画もまた観よう。2021/11/07

warimachi

4
自分のような浅学の人間には、こういう解説書の存在がとてもありがたい。『黒死館殺人事件』が数年後の再読で読めるようになったのと同じく、『薔薇の名前』も人並みに理解できるときが自分にもいずれ来るのだろうか。2022/11/03

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