文春e-book<br> 死者にこそふさわしいその場所

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文春e-book
死者にこそふさわしいその場所

  • 著者名:吉村萬壱【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2021/08発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163914183

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内容説明

怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる。
日常の輪郭がゆがんでとろける、奇「快」な物語たち!

折口山町に暮らすのは、どうしようもない人達ばかり。
・セックスの回数を記録する愛人
・徘徊癖のある妻を介護する老人
・アパートのドアが開きっぱなしの裸男
・朝どうしても起きられなくなってしまった女
・困った人の面倒を見たがる聖職者
町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる。
芥川賞作家が織りなす、平凡なようで非凡な六篇の物語。

●担当編集者より
住みたいかと聞かれたら答えに窮する、しかし覗き見したいかと言われたら確実に「YES」なのが、折口山町だと思います。
登場人物たちの特徴を挙げてみるだけで、もうこの町の不思議な空気が漂ってきた気がします。
ちなみに、なんとも魅力的なタイトルは、ポール・ヴァレリーの『テスト氏』の一節から。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

140
私の理解を遥かに越えた生態の人たち。でも、その不気味で愚かしい拘りには、哀しみやら怒りやら、ひとの業がみっしりと詰めこまれているようで。彼らが廃植物園に大集合して織り成す最終話の標題作、激情と狂乱のるつぼの先に突如現れた「私」の正体。な、何と⁉️しばし絶句。読み終えてまたこの装画を見直すと、何とも云えない思いに囚われる。2022/03/14

よつば🍀

77
「苦悩プレイ」「美しい二人」「堆肥男」「絶起女と精神病苑エッキス」「カカリュードの泥溜り」「死者にこそふさわしいその場所」6話収録の短編集。6話共に物語の舞台は折口山、駅前にあるスーパーマーケット「おりぐっちん」界隈で暮らすどうしようもない人々の日常が描かれる。シュールな装丁に負けず劣らず、登場人物は皆、奇妙で独特。身近には絶対いなさそうでリアリティは皆無。でも何故か読み進むに連れ、ひょっとして、これって有り得るかもと思えて来るから不思議。淡々と描かれる日常は、奇快な中に切なさとおかしみと愛が満ちている。2021/09/09

いたろう

73
表題作他、全6編の連作短編集。著者の以前の作品のように、明らかに異形のものは出てこないが、苦悩プレイ、堆肥男、絶起女、カカリュードの泥溜り、キラスタ教など、その言語感覚は、やはり著者らしい。それは、狂気の世界のようでいて、歪な現実のカリカチュア。それぞれの話は、この小説世界の中で、唯一の正常な現実世界、駅前のスーパー「おりぐっちん」で繋がり、そして、それぞれの短編の登場人物が一堂に会するラストの表題作で大団円を迎える。そこに初めて登場したと思われた「私」が、実は、全ての短編に登場していたことに驚かされる。2021/10/14

さっこ

65
吉村さん初読み。非常に疲れた。すごい世界観でついていくのがやっとだった。日常が歪んで奇怪な人々…。思考が追い付かなかった。2022/04/24

日の丸タック

49
う〜ん…またやってしまった。 なんだか読むては止まらないのだが、理解が追いつかない… 芥川賞作家に溺れた。2022/01/30

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