文春e-book<br> TOKYO REDUX 下山迷宮

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文春e-book
TOKYO REDUX 下山迷宮

  • 著者名:デイヴィッド・ピース【著】/黒原敏行【訳】
  • 価格 ¥2,600(本体¥2,364)
  • 文藝春秋(2021/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163914237

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内容説明

戦後最大の怪事件、「下山事件」。その闇にイギリス作家が挑む未曾有のミステリー大作。

下山国鉄総裁、変死体で発見。おりしも国鉄は、GHQの方針により大規模な人員整理に着手したばかりで、労働組合や左翼分子による犯行が疑われた。

GHQ上層部のウィロビーらの命で捜査を担当することになったGHQ捜査官スウィーニーは、裏社会とのコネを手がかりに占領都市の暗部へと潜ってゆく。総裁の死は他殺か自殺か。警視庁捜査一課と捜査二課が対立し、マスコミや世論も揺れる中、スウィーニーの捜査線上にGHQの謀略機関〈本郷ハウス〉の影が見え隠れし、彼は徐々に戦後の“黒い霧”に呑み込まれてゆく……。

1964年、6月。初のオリンピックを目前にする東京で、下山事件に関する作品の取材を進めていた探偵小説作家・黒田浪漫が失踪した。編集者を名乗る男の依頼で黒田の行方を追うことになったのは元刑事の私立探偵・室田。だが消えた作家の足跡を追ううちに、室田は東京の暗い半面にひそむ黒い黒い迷宮に少しずつ踏み込んでゆく……。

そして1988年、12月。病床に臥せる天皇の容態を憂えて沈む東京に、翻訳家ライケンバックはいた。かつてCIA工作員として日本に派遣され、やがて日本文学の研究者として東京に住むことになったライケンバックのもとに、戦後の忌まわしい事件の亡霊がやってきた。彼の運命を狂わせた下山事件。その亡霊が、今、ここ、昭和の最後の年に。あのとき、占領下の東京で何があったのか――?

犯罪小説史に異形の刻印を黒々と刻む〈東京三部作〉、完結編にして最高傑作の誕生。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

本木英朗

29
英国の現代犯罪小説界のひとりである、デイヴィッド・ピースの長編のひとつである。1949年、占領下の東京で起きた下山事件。出勤途上で百貨店に立ち寄ったまま姿を消し、鉄路上で死体となって発見された下山国鉄総裁。この戦後最大の謎に挑んだのが、作者である。とりあえず最後まで読んだけれど、ちょっと今の俺には難しかったかなあ。でも「犯罪文学」ってところは面白かった。しかも下山の外にもう一人が!というところも凄かったね。またいつか読もうと思う。2022/01/04

M H

28
たたみかけるような単語、単語、ダッシュ-これはその昔挫折した「ホワイト・ジャズ」うっ、頭が…。あれよりはだいぶ読みやすくなっているし、下山事件を扱っているわりにすっきりと終わるのは良かった。黒原敏行さんの丁寧な解説もクールダウンを助けてくれる。そうはいっても、何しろ「下山迷宮」、作中の大半は足場が曖昧な五里霧中を漂い、人間も壊れていくハードなもの。ついストーリーラインを追うだけになる私にはしんどかった。黒原さん訳じゃなかったらまた挫折してたかも。2021/11/26

ふみ

23
親切なあとがきとGoogle先生に助けられながら読む。美しくて恐ろしい詩。下山事件を題材をとっているがこれは虚構の世界。日本、東京というのはこういう国なのか?足下の土地が崩れ落ちるような焦燥に苛まれる。2021/12/15

飛鳥栄司@がんサバイバー

22
東京3部作完結。昭和という混沌と激動の日本の雰囲気を日本人以上に引き出し、読者を否応なく「下山事件」にいざなう。他殺自殺の両論があり未解決事件となっているが、本作はZ機関主導の共産党壊滅目的論に主眼を置き、ストーリーを展開させていく。1部はGHQのスウィーニー、2部は刑事崩れ探偵室田の捜査が書かれ、3部は怒涛のカタルシス。深く知れば知るほど迷宮に落ちていく蟻地獄的な感覚で読者を酔わせ、スウィーニーと室田に同調させていく。後戻りのできない状況で語られる真相。そして自我崩壊。これぞピースの真骨頂である。2021/08/31

えとろん

19
三部作の最終作だけどさほど前作とのつながりはないといっていい。とはいえ独特の文体に慣れるまで少々かかったので、再読してから感想を上げたいと思います。2022/01/03

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