内容説明
東京の下町・人形町に店を構えるお香屋「夢見堂」。その店には夢を売り買いし、悪夢を食べ吉夢を授ける「獏」がいるという――
夢で見たことを人に話すと現実になる。そんな能力を持つ女子大生の結は、ある日突然、「夢見堂」店主の獏と名乗る人物と夢の世界で出会う。楽しい夢逢瀬の日々もつかの間、彼女の稀有な能力ゆえ、人に悪夢を植え付ける「夢魔」に目をつけられて、彼女は両目の視力を失ってしまう。絶望する結は、夢に関する専門家である獏を頼るのだが、実は彼も夢魔によって、自分一人で夢を見ることができない体質にさせられていたのだった。
二人は欠けた部分を補うように共に暮らし、夢魔を探しながら、夢にまつわる依頼を解決していく。
――どんな悪夢にうなされても、俺が助けに行きますから。
縁と夢と香りがつなぐ、少し不思議な夢物語。
応募総数1,210作品の頂点! 魔法のiらんど大賞2020 小説大賞《大賞》受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
23
タイトルが気になって、手に取りましたが…個人的にはやや読みにくいと感じるお話でした。夢で起こったことを言葉にすると現実に起こってしまう力を持つ結が、香りで夢を見せる力を持つ獏と共に共同生活を送るお話。ファンタジー要素が多いのですが、中々設定や世界観が掴みきれず…てした。2024/04/16
沙耶
16
初読み作家さん。夢に興味があって面白そうだなって思って読んでみました。思った通り面白かったし、読みやすかったです。2021/11/21
なみ
10
店主である漠と、視力を失った結が営むのは、夢を見る香の売買をしたり、夢に関する依頼を解決したりする店、夢見堂。 ミステリアスな貘さんの、ちょっとわかりづらいけど優しいところがすごく良い! 結と貘の間にある信頼関係がはっきりと現れている最終話が特に好きです。2021/10/16
あずとも
6
夢を見たくないのに見てしまう女子大生と見たいのに見られなくて夢を見られるお香を扱うお店の店主が夢に関する困りごとを解決していく少し不思議な話。夢って殆ど覚えてないけど仕事の夢の時だけ覚えていて目覚めた時の疲労感が半端ないのは何故だろう。 2021/08/29
陽ちゃん
5
夢を見せる香を売る「夢見堂」が舞台ですが、見た夢を話すと現実になってしまう能力を持った結が、自分のせいで両親が事故死したと自らを責めるところから、店主の獏の助けでられるまで、って感じですね。一件落着したようですが、獏の本名というか正体が分からないままなので、もしかしたら続くのかな。2021/10/08