食農倫理学の長い旅 - 〈食べる〉のどこに倫理はあるのか

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食農倫理学の長い旅 - 〈食べる〉のどこに倫理はあるのか

  • 著者名:ポール・B・トンプソン/太田和彦
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2021/09発売)
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  • ISBN:9784326154685

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内容説明

生産者や流通業者、消費者それぞれの立場から望ましいフードシステムと食事のあり方とは。トピック間のつながりを明らかにしながら市場原理主義的なフードシステムを問う。30年超に亘りfood studiesをけん引してきた著者の集大成であり、北米社会哲学協会による2015年「今年の1冊」に選出された書を待望の訳出。

目次

謝 辞
日本語版序文

はじめに──倫理学についての概略を添えて
 食農倫理学の旅の始まり
 倫理学とは何か
 哲学者の方法について──権利論、美徳理論、功利主義
 私の方法について──探究と学習サイクル

1 あなたはあなたの食べる物では決まらない
 食べものに対する考察はなぜ長い間なされてこなかったのか
 食農倫理学と社会的公正
 食農倫理学と環境問題
 食農倫理学とリスク
 食農倫理学と文化的アイデンティティ
 食農倫理学と自由主義社会
 自由主義が食農倫理学にもたらす課題
 結 論

2 食農倫理学と社会的不公正
 フードシステムにおける不公正
 哲学的問題としての不公正
 人種、ジェンダー、民族性と不公正
 食料運動
 食料安全保障と食料主権
 結 論

3 食生活の倫理と肥満
 古代と中世の飲食論
 現代の飲食論
 飲食論の新しい展開
 個々の因果関係と個人の道徳的責任
 社会・文化的な因果関係と責任追及
 医学的な因果関係とその道徳的意味
 結 論

4 食農倫理学の根本問題
 道徳的問題としての飢餓
 アマルティア・センの貧困と飢饉
 帰ってきた道徳的問題としての飢餓
 貧しい農業従事者のための食料安全保障
 倫理学的観点からの分析
 なぜ農家が道徳的に重要なのか
 小規模農家のために、あと少し言いたいこと
 結 論

5 家畜福祉と食肉生産の倫理
 動物倫理の復活
 家畜生産の倫理
 動物福祉の三つの領域
 家畜福祉の向上──いくつかの思考実験
 少しでもましな答えは何か?
 制約のある選択の倫理
 結 論

6 フードシステムと環境への影響──地場産の魅惑
 農業の持続可能性
 持続可能な開発とは何か──哲学的な幕間
 資源充足性の倫理
 アグラリアン哲学とは何か──哲学的な幕間
 機能的統合性の倫理
 現代の論争
 結 論

7 緑の革命型の食品技術とその満たされなさ
 ひも解かれた道徳問題
 飢餓の倫理と緑の革命型開発
 農業バイオテクノロジーに対する反論(1)──予防
 農業バイオテクノロジーに対する反論(2)──社会的公正
 農業バイオテクノロジーに対する反論(3)──自然性と「選択」
 農業バイオテクノロジーに対する反論(4)──徳倫理
 点をつなぐ
 農業バイオテクノロジーに対する反論(5)──美徳の倫理と成功の可能性
 倫理的に肝心なこと
 結 論

8 再考、今度は想いを添えて──倫理、リスク、そして食の未来
 倫理、専門知識、リスク
 新しい食料技術は十分にテストされたか
 食品安全性の倫理
 哲学的論争としてのバイオテクノロジー論議
 二人のトンプソンの相違点──合理性と倫理
 二人のトンプソンの相違点──農業科学の哲学
 結 論

原 注
訳 注
訳者解説
参考文献一覧
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yokkoishotaro

1
食と放射能のことを考えているとどうしても科学技術の方に目を向けてしまっていたが、改めて食に目を向ける重要性を感じることができた。そもそも食をどのように考えればいいのか再確認できた。「美徳ーリスク」のフィードバック・ループは面白かった。2022/12/29

takao

1
ふむ2021/08/22

Go Extreme

1
倫理学概略:食農倫理学の旅の始まり 哲学者の方法─権利論、美徳理論、功利主義 食べる物では決まらない:社会的公正 環境問題 リスク 文化的アイデンティティ 自由主義社会 自由主義の課題 社会的不公正:フードシステム 哲学的問題 人種、ジェンダー、民族性と不公正 食料運動 食生活の倫理と肥満:飲食論 個人の道徳的責任 責任追及 食農倫理学の根本問題:貧困と飢饉 食料安全保障 家畜福祉と食肉生産の倫理 フードシステムと環境への影響─地場産の魅惑 緑の革命型の食品技術・満たされなさ 倫理、リスク、そして食の未来2021/05/16

Yasuyuki Kobayashi

0
食料に関する哲学的な論文。 肥満による医療費の増加、肉食の為の 屠畜の是非、遺伝子操作による食物生産、 貧富の差や気候変動による飢饉飢餓の問題 など一筋縄では解決できない論考が続く。2021/07/29

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