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内容説明
言葉で日本を創り、日本を守った男がいる。末松謙澄(すえまつ けんちょう)、福岡県行橋市に、日本がアメリカと不平等条約を結んだ翌年(1855年)に生まれた。日本をどんな国にするのか――政治家として、また多才な文化人として、西郷隆盛への降伏勧告状、大日本帝国憲法、下関条約の締結文の草案を書き、明治維新史『防長回天史』を編纂。日露戦争では日英同盟の強化などにより日本の窮地を救い、近代日本の礎を作った。謙澄の作った道を今の私たちは歩いている。彼は何を目指し、何をしたのか――世界を舞台に活躍し日本の国際化と近代化に果たした謙澄の足跡を辿る。
目次
第1章 筆によって立つ(真の愛国者・末松謙澄、ロビイストとは ほか)
第2章 外から見た日本(イギリス「留学」の目的、「留学」の費用 ほか)
第3章 「改良」運動と日清戦争(鹿鳴館時代の日本の情勢、江戸時代の文化を「猥褻野卑」とする考え ほか)
第4章 真の日本とは何か(近代化への地ならし、ロシア南下の脅威と第一次日英同盟の締結 ほか)
第5章 『防長回天史』編纂(政界から身を引く謙澄、防長二州の人士にあらず ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
5
末松謙澄さんは、この本で初めて知りました。パラパラ読みでは謙澄さんの功績がいまいちピンとこなかったです。 真の愛国者で、着る物には全く無頓着、「分」をわきまえ、他者には嫌な思いをけっしてさせなかったと本書では書かれている謙澄さん。 そんな謙虚で目立ちたがらない人だから、水面下のロビー活動など、国家機密に関わる仕事をし続けたれたのでしょう。 表に立って目立つ活動をされていた方々ではなく、謙澄さんのような実務家が、本当は社会を支えていたのだと思うのですが、なかなかその功績を表現しずらいのが残念ですね。2021/10/14
志村真幸
2
本書は、伊藤博文の女婿で、政治家やジャーナリスト、歴史家としても活躍した末松謙澄の生涯を総合的に紹介したもの。 本書を通して、その人物や業績を理解できたのはありがたい。とくに若き日のイギリス留学時代や、のちに日露戦争工作で再訪したときのことなどは、詳細にとりあげられており、当時の日本とイギリスの関係についてもよく分かる。 演劇改良運動や『源氏物語』の英訳なんてこともしていたのか。 長州の歴史をまとめた『防長回天史』の執筆を巡っては、日本近代史をいかに描きだすかという葛藤も見えてきて、興味深い。 2021/06/07
やま
1
本書で初めて末松謙澄のことを知った。幕末、明治の様々な人物の中ではあまり目立たないが、政治的にも文化的にも重要な役割を果たした人物だったことがわかる。2021/08/20
Go Extreme
1
筆によって立つ:ロビイストとは 漢文の素養 文京区本郷 高橋是清との出会い 徴兵令の施行 英国へ 外から見た日本:イギリス留学 費用 長州五傑 見るものすべてを吸収 ケンブリッジ大学 改良運動と日清戦争:鹿鳴館時代 江戸時代の文化・猥褻野卑 歌舞伎と新劇 ロビイストへの道 真の日本とは何か:近代化への地ならし ロシア南下の脅威と第一次日英同盟の締結 黄禍論 防長回天史編纂:政界から身を引く謙澄 防長二州の人士にあらず へーゲルの歴史史観 近代科学としての歴史学 史料に語らせる 2021/07/12
かつ
0
末松謙澄の日露戦争における活躍はもっと知られるべきで、このような本が出たのは嬉しい。ただし、1冊の本にするのはやはり無理があったようで、関係の薄い話が多い印象がある。2021/10/23
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