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内容説明
紫式部は清少納言の敵を討った!? なぜ紫式部は『源氏物語』をあれほどの長編にしながら、光源氏の死にもふれず突然幕を下ろしたのか? なぜ清少納言は物語全盛の時代に、ノンフィクション文学『枕草子』を書き上げたのか? 真の意図を見えにくくするために幾重にも張りめぐらされた隠蔽工作。その裏には、共通の敵である権力者・藤原道長への恨みがあった! 主人を奈落の底に落とされた哀しみ。横暴な男性社会への呪い。二人の才媛は、いかにして想いを昇華させたのか。これまで数多くの作家・研究者が挑んできた平安二大傑作の謎に迫る。 【『源氏物語』のミステリー】理解されることを願わなかった?/最後に仕組まれたどんでん返し/ヒーロー・ヒロインはみな片親/肝心なことは決して書かない 【『枕草子』のミステリー】物語全盛の時代にノンフィクション/三色混ぜ御飯弁当箱型作品/他人には通じない暗号/忘れられることを恐れていた? etc.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユウユウ
24
『源氏物語』『枕草子』共に稀有な作品であることを改めて知る。『源氏物語』が壮大な構成と様々な仕組みを秘めた作品であることは知っていたが、『枕草子』が物語文学全盛の時代に突如生まれた随筆というジャンルというのは眼から鱗。互いの作者の置かれた環境の関係性なども興味深かった。2020/07/07
いろは
20
紫式部の『源氏物語』のライバル、清少納言の『枕草子』をいろんな他の作品と参考文献から読み解いていく作品。副題が「謎解き平安ミステリー」とあるけれども、なにも犯人を探すという訳ではなく、源氏物語と枕草子にある浮かび上がる謎を解いていくという作品。『ほんとうに大事なことは、文字にしてはいけない。』というように、物語の中にあるあらゆる数式や方程式を解いていく。一番に思うのは、やっぱり答えのなき世界だということ。源氏物語や枕草子を解く人一人一人のものの見方、考え方、感じ方は違う。しかし、それもまた、いとをかしだ。2018/11/14
ともとも
17
日本を代表し、今の世の人々の心を打つ古典文学『源氏物語』『枕草子』。 『源氏物語』『枕草子』だけでなくて、いろいろな 古典文学や史料を元にその両者の謎に迫っていくわけですが そこから、いろいろなことが解るというか、定説があるというか そんなことを読み解いていくと、意外なこともあって さらにはその時代の事も多少は見えてきて凄く面白みを感じてしまいました。 『源氏物語』『枕草子』の魅力に迫りつつも、文学としても歴史としても 親しめる、さらには古典の興味を引き出す1冊で良かったです。 2015/04/17
たまりん
4
枕草子と清少納言についてはとても少なかったのですが、紫式部と清少納言の性格についてとか知れて面白かったです。あと「源氏物語」は誰がモデルでどうなったとかを上手くぼかして全てを描いていない所がすごいと思いました。これが正解だ!!というのがなく読者が色々と想像できる。私も現代語訳とかではありますが「源氏物語」と「枕草子」を読んで平安の世界観を感じてみたいと思いました。2024/02/16
ときどきぷろぐらま。
3
本当に大事なことは文字にしてはいけない、肝心なことは残せなかった紫式部。行間から感じ取りながら源氏物語を読むとまた、違ってみてるのかもしれない。 寂聴源氏は、その一番、大事なことを見抜かず、行間まで描いてしまっていることを指摘されてるのがとても面白かった。寂聴源氏は、言葉遣いが苦手で読むのをやめてしまったのだけど… 私のバイブルは、円地文子さんの現代語訳。 2024/05/08