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内容説明
四月から友子は一年生になりました。学校はとっても楽しいです。でも、となりの席のたっくんは、大きくて力も強いし、「おまえ」なんていうし、ちょっとこわいのです。ある日、学校のうえきばちに、あさがおの種をまきました。友子は早く芽がでないか、楽しみでしかたありません。放課後、いつものようにあさがおの芽を見に行った時、友子はとなりのうえきばちを倒してしまいました。あわてて元にもどしますが、うえきばちの名前を見て、友子はどきっとしました。倒したのは、たっくんのうえきばちでした。先生に倒したことをいわなくてはいけないのに、なかなかいいだせません。そして、たっくんにあやまらなくてはいけないのに、たっくんはおたふくかぜでお休みしてしまいました。それから友子は、たっくんのうえきばちにもお水をあげました。ところが、たっくんの芽は一つもでてこないのです……。友達を思う気持ちの大切さを描いた、心温まる幼年童話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
45
小学生の低学年にありそうなお話でした。一人で悩む友子の心の内が痛いほど分かりました。もっと勇気を出して話をしていたら、どうなっていたかなぁと思いましたが、最後にホッとしました。今度同じ状況なら、友子は勇気を持って謝れそうな気がします。2018/08/14
Kumiko
35
クラスメイトの朝顔の鉢を倒してしまった主人公。倒してしまった時にすぐ先生に言えば良かったのに…なぜかそれが言えないのが小学生。私もそんな小学生時代を過ごしてきたのでとても良く分かる。相談すれば何てことない事を延々心の中に抱え込み、一人悶々と悩んでいた。それはさておき、ラストはホッ。次女も学校で朝顔を育てていた(夏休み前に持って帰ってきた)が、きちんと芽が出て花を咲かせているのを見てなぜか涙が出そうに。小学校一年目、とりあえず小さな花をいくつか咲かせることができている気がして。親バカです。2017/08/05
ぶんこ
31
乱暴な言葉、大きな声、怖いのがよく判ります。 本当は優しいと判っていても、怖いものは怖い。 友子ちゃんにとっては、熱も出そうなほどの恐怖だったんだろうな。 たっくんが、ちょうど良い時に病気で休んで、かえって良かったような。 キチンとお礼が言える素敵なたっくんなのにね。 ホノボノとした絵もよかったです。2015/01/06
anne@灯れ松明の火
18
読友さんご紹介。小学校1年生の友子。やっと学校に慣れてきたばかり。隣席の男子たっくん、本当はいい子なんだけれど、友子にはまだその良さはわからず、ビクビクドキドキ。先生が他の子を大声で注意する姿にもビクビクドキドキ。ピカピカの1年生にとってはそういうもんだろうな。友子とたっくんの間のわだかまりを解きほぐすのは朝顔の芽とおたふく風邪(^.^) 岡田千晶さんの絵、動物の出てくる絵本しか読んでいなかったけれど、子どもの表情やしぐさもいいな。2014/05/30
遠い日
16
岡田千晶さんの絵を求めて。幼稚園からいっしょのたっくんのことが苦手な友子は小学1年生。たっくんに言えない秘密を持った友子の葛藤を丁寧に描く物語。偶然に起きてしまったアクシデントに悩む友子。自分のしたことを素直に言うのは怖いと感じるのは、十分に自分を責めている証。子どもの日常に潜む真と偽は、黒か白かと単純に判じるのが難しい。たっくんが友子に一歩近づいたことで、一瞬にしてほどけたわだかまり。この子たちの成長がここにある。2015/09/03