清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

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清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

  • 著者名:ミア・カンキマキ/末延弘子
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 草思社(2021/08発売)
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  • ISBN:9784794225283
  • NDC分類:914.3

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内容説明

セイ、あなたと私は驚くほど似ている――。
遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。
仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。
目的は「清少納言を研究する」ため――。
うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。
新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いたデビュー作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

117
遠い現代のフィンランド(ヘルシンキ)からアラフォー女性が「枕草子」そして書き手の「セイ」の魅力に目覚め、京都へ。驚くのはフィンランド政府や企業の文化的助成の分厚さ。彼女は日本語が喋れない読めないのに、平安朝の「セイ」や「枕草子」を知ろうと悪戦苦闘する。その日記調ドキュメントタッチの書きぶりが面白い。あの平安朝に何故表立って文筆を含めた言論が出来たのか、その不思議は今の日本人にももっと興味を持っていいのでは。セックスを含めた赤裸々な語り口や活動ぶりが本書の人気の一端なのかな。 楽しみました。2021/10/22

アキ

96
38歳で仕事を辞め、京都に住む。清少納言をセイと呼び、語りかけながら、京都の街にセイの面影を追い求める。ノルマンディーでこの本を書き上げた。著者もセイと同様京都での日々を書き連ねていた。そんな日々の記録に所々枕草子からの「清少納言のことば」を引用し、著者も感じるままにリストを挙げる。清少納言の直接の原本はもちろん見つけることはできなかったが、1000年前の同時代を生きた道長の日記は目にすることが出来た。著者の目を通して、日本の歴史、現代まで残されたもの、文学を、新鮮な気持ちで改めて知ることができました。2021/09/25

ばう

80
★★★★ まず初めに。ミア本当にありがとう。日本人でさえ詳しく知らないセイの事をこんなに愛してくれて、セイに会うためにはるばる日本にまで来てその足跡を辿ってくれて。彼女は日本文学の学者でも何でもなく編集者として働く、ただただ清少納言の事が好きで好きでたまらないという女性。彼女が凄いところは専門家の門を叩き、そこで研究するという方法では無く、ただ自分の足だけでセイの事が分かりそうな所へ行き(ロンドンにまで!)、見て読んで感じた事だけでここまで調べ上げたところ。495ページという中々な分量ですがオススメです。2021/11/28

pohcho

67
枕草子と清少納言をこよなく愛するアラフォー独身のフィンランド人女性が、清少納言をめぐる旅をしたエッセイ。言葉もわからないのに、いきなり京都の安宿で、二度にわたっての長期滞在(途中で東日本の震災も起こる)。図書館や博物館、寺社や庭をめぐり、能や歌舞伎を見て、枕草子にちなんでいろんなものリストを作ったり、和歌に挑戦したり、最後にはなんと十二単体験まで!所謂研究者ではないので、自らの心の赴くままに、ただひたすらにセイ(清少納言のこと)を思い、心の中でセイに語りかけながら、旅をされていたのが印象的だった。2022/02/01

tetsubun1000mg

61
フィンランドで編集者の仕事をする30代女性が、なぜ清少納言「枕草子」の本を書くのか気になって選ぶ。 「春はあけぼの..」から始まる冒頭は知っていたが、名前も「セイ・少納言」と清原家の少納言(役職)係長くらいか?という事もこの本で知った。 1000年以上前の平安時代の随筆が英語訳しかなかった2010年に、日本を訪れて調べようと思ったことが興味深い。 ミアさんがセイと呼び掛けながら京都を中心に日本を楽しんでいく様子が新鮮な感じがしてまさに随筆集を読んでいるよう。 妄想気味で控えめなミアさんの気持ちが伝わった。2021/10/28

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