内容説明
いくら世間で名作だ文豪だと言われていたって、
つまらない時はつまらない、と言っていいのである。
真の名作文学がわかる対談集
『雪国』『金閣寺』『グレート・ギャツビー』『蓼喰う虫』『ボヴァリー夫人』『アンナ・カレーニナ』『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』……は本当にそんなにすごいのか?
第一章
『金閣寺』『仮面の告白』三島由紀夫
「楢山節考」深沢七郎
第二章
『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド
『欲望という名の電車』テネシー・ウィリアムズ
『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ
第三章
『雪国』川端康成
『鍵』『瘋癲老人日記』『蓼喰う虫』谷崎潤一郎
第四章
『ボヴァリー夫人』 フローベール
『アンナ・カレーニナ』 トルストイ
「かわいい女」「犬を連れた奥さん」チェーホフ
第五章
『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』ドストエフスキー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
98
「文豪作品を読む時、私達は自然と文豪フィルターを掛けて理解しきらないまま、美化しているにではないか」と考えさせられる対談集。小田野氏の物言いは思わず、目が白黒する位、辛口だ。しかし、彼の「好き/嫌いについて、分かりにくい比喩を廃し、理論立てて説明する」という姿勢は比喩と感情に逃げがちな私としては自省も伴い、新鮮に感じました。それに小田野氏は『欲望という名の列車に乗って』のブランチに侮蔑的な文を書いた学生へ怒って女性論の資料を与えて書き直させたり、三島由紀夫の作品でのある場面を夫婦で真似るなど、中々、お茶目2020/01/12
アキ
84
名作の男女による読解の違いはあるのだろうが、著者や作品の裏話がたくさん知れて興味深かった。特に「雪国」のモデルや、「ノルウェイの森」のモデル、川端康成とガルシア=マルケスとの関係など。ここで取り上げられた多くの小説をがぜん読みたくなる。ドストエフスキーはロシア正教の作家であり、キリスト教を理解せずに読んでもピンとこないんじゃないかとは小谷野氏の主張。ジェイン・オースティンの方が人間の生きる有様を描いていると。文学を好きになるためにはある程度年をとる必要があるのではという小池昌代氏の意見に賛成します。2020/08/06
harass
83
図書館に入ったのを知り借りる。詩人小池との名作や作家についての対談。世間的な認識や見解をさけ個人の主観を交えていく。モデル問題などの細かいゴシップにニヤリとする。著者小谷野の本をいくつか読んでいるのでスタンスがよくわかるせいか、非常に納得がいく。まあ好みの問題になるので、自分と好き嫌いが合致するわけでもない。三島作品についての意見はいろいろなるほどと感じた。無理をしているなあと。それを好ましく思うかどうか。カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞で、春樹の今後の受賞は無理とありなるほどと。2020/02/24
薄毛スベスベ婦人・寺
53
楽しい文学談義。肯定的な小池さんと否定的な小谷野さん。しかし小谷野さんが禁煙しているとは知らなかった。2019/10/24
NORI
30
世間的に評価されている小説でも、自分は苦手ということは、割とよくある。きっと自分の読解力や感性不足だろうと判断しがち。そんな、あの本がつまらないのは何故なのかを赤裸々に語った一冊。小説家ら二名による対話形式で、文学マニアの会話を傍で聞かせてもらっている感じ。理解できない理由をどうにか言語化しようと試みている姿はさすが物書き。でも、結局「嫌い」で終わる場面も多く、苦笑。そういう緩さが、誰かの作品を否定するという毒を軽減しているとも言える。苦手・嫌い・意味不明はたくさんあっても良いんだと、ちょっと安心できる。2026/02/11




