内容説明
「新型コロナは風邪」「外出自粛や行動制限は無意味だ」
「新型コロナは夏には収束する」などと
無責任な言論を垂れ流し続ける似非知識人よ!
感染拡大を恐れて警鐘を鳴らす本物の専門家たちを罵倒し、
不安な国民を惑わした言論人を「実名」で糾弾する!
危機の時にデマゴーグたちに煽動されないよう、
ウイルスに抗する免疫力をもつように、
確かな思想と強い精神力をもつ必要があるのです。
思想の免疫力を高めるためのワクチンとは、
具体的には、良質の思想に馴染んでおくこと、
それに尽きます。――――――中野剛志
専門的な医学知識もないのに、
「コロナ脳」「自粛厨」などと
不安な国民をバカにしてるのは誰なのか?
新型コロナに関してデマ・楽観論を
流してきた「悪質な言論人」の
責任を追及する!―――――――適菜収
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
92
この本の好き嫌いは二分されるだろう。私は明らかに後者だが、この著者と出版社を承知の上で読んだのだから、それは自業自得である。コロナ禍で揺れる社会の中で、気風、イデオロギー、プロパガンダ、合理性など、小林秀雄さんが忌避したものをもう一度考え直そうという思いには共感する。しかし、その主張のために、丸山眞男先生をここまで扱き下ろす必要があるのだろうか。ポランニー、コールリッジらの発言が紹介されるなど、知的な刺激も得られたけれど、出典を自分の責任で確認する必要があるなと思えるほど、お二人の言葉の危うさが気になる。2021/11/19
読特
21
藤井先生のコロナ解説。あれは正しいのか?ネットの対談記事を見つける。この二人が否定している。思わず読み込む。直観はあたっていた。わからないものはとりあえず怖がるでいい。書籍を読む。全編を貫く「小林秀雄論」。「政治とは技術である。その時々の政治状況に臨機応変に対応できる知恵が大事」「人間は環境の制約の内にあり、それと格闘することに自由がある」「人は暗黙知の一部しか汲み出せない。だから言葉には限界がある」・・コロナ楽観論の否定だけではない。「考えるヒント」が散りばめられている。直観があたるという意味も知る。2021/10/24
マープル
10
異能の官僚、中野剛志と哲学者テイストの高等遊民(?)(偏見)、適菜収の対談本。適菜収の本は初読。小林秀雄についての言及が多い。小林秀雄は未だに読めていないので、これを機に再チャレンジしたい。内容は、京都大学大学院教授・藤井聡への痛烈な批判がメイン。すわ、保守分裂か?といったところ。終盤のものまね芸人についての部分は、はっきり言って蛇足。小林だけでなく、ベルクソンやトクヴィルなども絶賛積読中なので早めになんとかしたいと思わせてくれた。それにしても読書力が落ちた。。。こんな軽い本なのに2021/09/27
nino3
3
つまり理屈ばかりこね回して現実を見ないでいると的外れな方向にいってしまうと言ってるのかな。この二人の対談、彼らが批判している、話の合う同士だけで集まって盛り上がる状態そのまんまになっているんじゃないのかと、ちょっと思ってしまった。2022/05/30
しょう
3
コロナに対して既存の理論(インフルエンザ、風邪)を当てはめて、大したことはないと発言を続けていた人が少なくなく、著者お二人との親交もある藤井聡氏も「この程度のウイルスで自粛するのはおかしい」といった言論を続けていた。初めは私も藤井先生の話を受け入れていたが、お二人(+佐藤健志氏)の反論を聞いて考えを改めるようになった。未知のものに対して軽率に判断を下してはいけないということがよくわかった。暗黙知の話がとても面白かった。人間もまた未知の発見がまだまだたくさんある生物なのだとも感じました。おすすめです。2021/11/05