「日本人と英語」の社会学―なぜ英語教育論は誤解だらけなのか

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「日本人と英語」の社会学―なぜ英語教育論は誤解だらけなのか

  • 著者名:寺沢拓敬【著】
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 研究社(2021/08発売)
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  • ISBN:9784327378219

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内容説明

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★「日本人と英語」にまつわる通説を、データを使って徹底検証!

「日本人は英語が下手」「これからの社会人に英語は不可欠」「英語ができれば収入が増える」は本当か?
「日本人と英語」にまつわる様々な通説・俗説を、社会科学的な手法を用いて批判的に検証。正しい「日本社会」像を提示するとともに、英語学習や英語教育の実態を浮き彫りにする。
『「なんで英語やるの?」の戦後史』で英語教育史に新風を吹き込んだ著者による、データに基づいた明晰な英語言説批判。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ecriture

17
2006年から2010年の統計で、仕事・知人間・音楽映画鑑賞等・海外旅行での英語使用率は全て下がっているのに、「これからの日本人に英語は不可欠」と煽ったビジネス界と政府の「英語パニック」をデータで批判。英語力で年収がグンとアップするというのも嘘で、都市部の常勤職で4%しか給料変わらないらしい。英語で年収が30%上がるなどと言っている人は英語力と収入の2変数しか検討せず、擬似相関を考慮していないので信憑性が低い。英語教育関係者でもわずかな経験と直観と信憑性の低いデータに踊らされがちなのでこうした本が大事。2017/03/02

Nobu A

11
英語は切っても切り離せない外国語。しかし、国内で流布する言説が如何に虚構性を持っているか。文系理系と類型化するのには抵抗があるが、言語学はSLAや教育方法論等に影響を強く受け、社会科学的なアプローチが薄い。管見の限りだが、国内の英語教育に関してはここまでデータベースの統計分析を用いて検証したものはなかった。英語教育の実状を把握せず、「日本人は英語が苦手」や「これから英語がますます必要」等の迷言が一人歩きしてきた。非常に興味深い専門書寄りの本。先日読了の会談本で知った寺沢拓敬先生にこれから注目。 2020/08/18

Satoshi

10
日本人は英語が苦手という潜在意識。そして、英語ができない社会人は生き残れないという言説。これらをデータで論証していく。データ上では英語の必要性が減っているという現実には驚かされた。自動翻訳が進み、AIが進めばツールとしての英語教育の意味は変わるだろう。結局、「〇〇ならば生き残れない」「貯金が〇〇円なければ老後破産する」といったホラーストーリーを見せて商売する人たちの道具にしかなっていなかったのだろう。英語話せないと社会人として失格であるような言説は多かったからね。2022/06/12

禿童子

9
日本人と英語をめぐる言説を、データベースの統計分析から検証する試み。有名な船橋洋一の「日本人全員に英語が必要」と成毛眞の「英語が必要な日本人は1割」の主張に対して、批判的ながらも成毛の説に軍配を上げている。英語力と収入は相関関係があるが、疑似的な関係であり、女性が英語をマスターしても男性と比べて不利な状況にあることに変わりはない。グローバル化の進展は必ずしも英語の必要性につながらない。通説を覆す結果に目からウロコだが、英語の早期教育が英語力の向上をもたらす点は肯定的な結果を示しているのが興味深い。2016/09/19

タイコウチ

8
英語教育に関する諸言説を緻密な社会調査分析から冷静に検証。「女性の方が英語に対して積極的で、学習熱も高い」「英語使用ニーズは年々増加している」「英語力は良い収入・仕事を得るための武器である」などが「都市伝説」として次々と切り捨てられる。社会調査の基本は、ランダムな調査対象を選ばなければいけないということ。「グローバル化」によって英語使用ニーズが減っている(2006-2010)というのはちょっと衝撃。日本では英語熱や英語ニーズが過大に見積もられがちであり、その背景にはエリート層の英語力不足があるという指摘。2015/01/23

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