文春新書<br> シルクロードとローマ帝国の興亡

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文春新書
シルクロードとローマ帝国の興亡

  • 著者名:井上文則【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 文藝春秋(2021/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166613267

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内容説明

ローマと漢、二つの古代帝国の興亡は、シルクロードと深い関係にあった。ユーラシアを横断する交易に着目した、新しい壮大な世界史。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サアベドラ

34
ローマ帝国の衰亡をシルクロード海上交易と絡めて論じる新書。2021年刊。著者の専門は軍人皇帝時代。著者も認めているように、本書の主張自体は推論を重ねたものなので歴史学的に価値があるとは思えなかったが、本書で描かれている帝政前期の東方交易の有様は新鮮で楽しく読めた。この時代ですでにヨーロッパの上流階級はアジアの香料や香辛料に夢中だったようで、のちにビザンツ帝国の主要輸出品目となる絹もはるばる中国から輸入していたという。一方で輸出品ではワインなどに加えて地中海のサンゴが輸出されていたというのが意外だった。2021/12/09

Tomoichi

26
ローマ帝国と経済(シルクロード)の関係を考察した一冊。滅亡までの悪循環=交易の衰退がリンクしていてなかなか面白かった。大東亜戦争もアメリカによる経済封鎖がきっかけだから自由経済って大切ですね。また疫病についても経済を沈滞させる要因だったなど今も昔も変わりません。2022/01/10

Homo Rudolfensis

25
☆4.4 宮市氏らのシルクロード交易によって金が西アジアに流出したことで後進国である中国とローマは衰退した、という理論を批判しています。結論としては、それは間違いで、ローマ帝国はシルクロード交易によって繁栄し、それから撤退したことが衰退の大きな要因となった、と主張していますが、あくまで粗い試論だそうなので是非批判してほしい、とあとがきにあります。ただ、面白い面白い!と読んでいたため全く無防備に論を受け入れてしまい、批判はできませんでしたね…。これから読む方はどうぞそのことを頭の片隅に置いて読んでください。2022/04/09

ロビン

21
タイトル通り、シルクロード交易によって得た経済力が、ローマ帝国の隆盛と衰亡に深く関わっていたと論じた内容の本だが、様々な資料を用いて古代ローマ興亡の謎解きをするワクワク感があり、スゴク面白かった。1世紀〜5世紀間位のローマ史を簡略にまとめながら論を進めてくれるので、『ローマ帝国衰亡史』や『ローマ人の物語』の復習&補填にもなり非常に有難い。西ローマ帝国が東よりも先に滅んだ経済的な背景ー関税収入の減少と軍人・官僚にかかる経費の増加、税制の改革、東に比較して免税階級の元老院議員が多かったことーも説得力があった。2023/10/08

ようはん

20
ローマ帝国の繁栄を支えた要因としてシルクロード交易による莫大な収入があり、特に輸出入での関税による収入が大きかったという話。海のシルクロードといえば元王朝辺りの時代に栄えたイメージで、ローマ帝国の海といえば地中海ではあるがエジプトのアレキサンドリアからナイル川を登り陸路を経て紅海からインド洋に出てインドに至る交易ルートが盛んだったというのが1番興味深い点だった。2023/06/14

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