- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「世間体が気になる」「世間体が悪い」といった言葉に象徴されるように、私たちは「他人の目」を気にしながら生きている。人は人間関係の中で生きざるを得ない以上、世間体からも逃れることはできない。だが、世間体が「負」の働きをすれば、個人の疎外や孤立、組織の硬直化や国としての活力の減退につながる。家庭で、学校で、社会で、人の心の中で世間体はどう作用しているのか。その構造を歴史社会学者が多角的に考察。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
22
テーマはいいのに内容なさすぎ2021/11/21
Francis
15
買って割合すぐに読んだ。世間体は世界のどこの国でも見られるが、日本ではキリスト教・仏教;儒教のような社会を支える規範となるべき価値観が崩壊しているために世間体の弊害がひどくなっていることを論じている。新書サイズで世間体の弊害の例をあまねく挙げようとしているため叙述が浅くなっているきらいはあるが、「世間体教」(山本七平さんの言う日本教と同じだと思う)について分かりやすく理解できる。「世間体」と付き合うためには「いかに生きるべきか」を問う事が重要であると説く。2021/09/18
山のトンネル
7
「父は生まれついて厳格な性格の持ち主で、自分自身の日常生活はもちろんのこと、母や兄や私に対しても厳しい生き方を強いた。 道徳や人生観はもちろん、挨拶や食事の時のマナー 、それに服装や観るテレビや読む書籍に至るまで、父はその考え方を家族にまで徹底した。 私の家庭において、父は絶対的な君主だった。」(『ネトラレ』(p156)より)厳格な家は厳しくも、独特の教養が育まれる。しかし、家の風習がない多くの人々は、世間体によって育てられる。大衆消費社会の一員にすぎない。2022/06/05
coldsurgeon
6
世間体(せけんてい)という言葉は、生きてきた時間の中で幾度も耳にした。世間体とは、個人間あるいは特定の集団において、その社会生活上・コミュニケーション上で機能する、顕在化・潜在化した比較的強固な規律と罰則の構造であると定義して、詳細に検討している。規律的に行動できる基盤となっている世間体であるが、そのために生きづらくなることは多いと思う。であるから、世間体は疑ってかからなくてはいけない。このコロナ禍で個人が試されているが、自分の心に核となるものを作り、自分自身の価値を自ら作り出していくことが重要である。2021/12/16
oooともろー
5
どこの国にも世間体の影響はあるが、日本の場合、宗教的基盤が弱いのでより一層影響を受けてしまう。自分の核をいかに作り上げていくか。言うは易く行うは難し。2022/12/08