内容説明
両親の反対をおしきって航海に出たロビンソン・クルーソーは,嵐にあい,たったひとり絶海の孤島に打ちあげられる.船から運び出した道具をたよりに,住まいを作り,食料を確保し,工夫をこらして,いくつもの困難を乗りこえていく日々.生きぬくためのたたかいは28年間におよんだ.冒険物語の古典を新訳でお届けします.【新訳】
目次
ロビンソン・クルーソー┴第1章 家を出る┴第2章 ムーア人につかまる┴第3章 ブラジルにわたる┴第4章 ただ一人たすかる┴第5章 絶海の孤島┴第6章 日記をつける┴第7章 病気になる┴第8章 島を探検する┴第9章 パンをつくり、舟をつくる┴第10章 蛮人の足あと┴第11章 蛮人の出現、難破船の出現┴第12章 フライデイのこと┴第13章 危機せまる┴第14章 蛮人と戦う┴第15章 反 乱 船┴第16章 船を取りもどす┴第17章 イギリスへ帰る┴第18章 ピレネー山脈を越える┴第19章 ふたたび島をおとずれる┴訳注┴度量衡換算表┴貨幣一覧表┴解説『ロビンソン・クルーソー』の世界 原田範行┴挿画 ウォルター・パジェット
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
50
人が生きるにあたって何が大切なのかを教えてくれる名書。漂流譚という娯楽性の奥に深い人間哲学がある。ロビンソンの無人島生活は有史以前から文明への道と重なっている。暦や季節、地形の把握からはじまり、犬と猫を友とした狩猟生活、道具の制作、稲作のはじまり、ヤギの家畜化、貯蔵する智恵、他民族との衝突、戦闘による敗者の奴隷化、または復讐による人肉食、そして神や宗教を生む自然観といった人類が歩んできた歴史が漂流譚に重ねて描かれているのが実に見事だ。人間にとって最も重要なのは、神視点であり、その根本は「誠実」である、と。2019/05/11
たつや
46
子供の頃に何故、読まなかったんだろう?と、今更ながら後悔する。面白く、読み始めると止まらないノンストップアドベンチャー。それにしても、緻密で迫力ある挿し絵はどうやって描いたんだろう?と不思議でため息が出た。2017/03/25
テツ
21
サバイバルものの原点でありシンプルな頂点。夏になると読みたくなるのは小学生の夏休みに読み倒していたからか。実際にはこんなシャワーも電気もない生活なんて二日目あたりで耐えられなくなって首吊りそうだけれど読んで空想するだけだと本当に楽しいよな。こどもの頃に最初に読んだときと同じように試行錯誤しながら住居を構築する様子や食料の確保には今でもテンションが上がる。ところどころに出てくる主の存在を肯定しろ的な展開は若干鼻につくけれどやっぱり面白いよな。2018/07/23
黒猫
18
300年前に出版された作品。両親の教えを拒絶し、イギリスの船に乗り込み遭難し、何もない絶海の孤島で一人で狩猟を始めながら、農作物を育て家畜を飼い、異国人と戦いながら生きていくサバイバル小説。面白い。「破滅へ向かう。」。「理性よりも自分の気まぐれの命ずるままに従う」という手記のような書き方もピタリとハマっている。まあ、途中からフィクションだと知り多少はガッカリしたものの、読み手を飽きさせずに物語が進む。まるでロールプレイングゲームのような内容は古今東西の読者を魅了して止まない。うーむ。名作だ。2018/12/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
記入漏れ。航海に出たロビンソン・クルーソーは、嵐にあい難破、無人島に流れ着きます。難破した船が岸辺にあったので、食料や生きていくのに最低限なものがありましたが、一人で生きていくために島を調べます。最初にしたのは身を守る家を作ること…。 南米の沖合に、ロビンソン・クルーソー島が実在します。2020/08/21