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内容説明
議員になっても大臣にはならず、権力ではなく影響力を求め、時代の声を聞き、言葉の力のみでフランスを共和政へと導いた詩人の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
24
フランスの国民的詩人であり政治家でもあったユゴーと、独裁者ナポレオン3世との闘いを中心に、ユゴーの生涯を描いた評伝。若き日、師匠にユゴーの『懲罰詩集』の「結語」という詩を教わって以来、私にとってユゴーは憧れのスーパーヒーローである。19年もの亡命生活中に『レ・ミゼラブル』をはじめとした名作を次々に書き上げ、ナポレオン3世に一歩も引かなかったばかりか、教会批判によってカトリック教会からも禁書扱いを受けたが全く動じなかった。弱き者たちの声となる詩人としての神聖な義務をその一生を通じて果たした稀有の人であった。2021/09/10
ta_chanko
19
共和政の実現のために人生を捧げ、亡命を余儀なくされながらも、ペンの力で政敵ナポレオン3世を攻撃し続けた文豪。フランス革命によりカトリック教会の力が失墜。人々の精神的空白が広がる中、共和政を実現することでそれを埋めることに使命感を燃やして戦い続けた。何度非難されても、身の危険にさらされても。歴史上、これほど骨太の文豪がいただろうか?改めて、レ・ミゼラブルを鑑賞したい。2021/09/20
miaou_u
12
中学時代に読み耽ったレミゼは生涯の愛読書であり、鹿島茂先生の解説で、ユゴーの生きた時代背景や思想等、深く勉強させていただいた。本書では、当時の仏と今この時代の仏が何ら変わりなく、自由、という言葉の元に民衆が蜂起する姿は時を経ても変わらないのだということをまざまざと考えさせられる。王統主義者の母の影響から、亡き父のナポレオン主義、そして共和主義へ。六月暴動でのユゴーの姿に胸打たれる。政治にユゴーを突き動かしたのは民衆の貧困への想い、小ナポレオンによる権力との闘い、そして、『詩人の使命』。(続きます↓)2021/11/16
nranjen
6
小説家というより何よりも詩人であるヴィクトール・ユゴーの言葉の力のすごさと、いかに彼が権力と近い場所にあり、壮絶な戦いを行ってきたかが理解できた本。詩人すごい。個人的には副次的ではあるものの、今までゴチャゴチャしてきた王政復古、七月革命、七月王政、二月革命、第二共和制、第二帝政あたりの流れが掴めて嬉しい。2022/02/23
belle
6
祖国フランスの共和制確立のため、戦い続けた文豪ユゴー。その言葉ひとつひとつに明日への熱い決意を見た。「レ・ミゼラブル」があらためて迫って来て、思わず手持ちのユゴーの作品を並べてみた。2021/10/05