ちくま文庫<br> 世界奇食大全 増補版

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま文庫
世界奇食大全 増補版

  • 著者名:杉岡幸徳【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2021/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480437389

ファイル: /

内容説明

ラクダのこぶ、サソリ、ウマのたてがみから、土のスープ、樹液、みかんご飯、甘口イチゴスパ、そして紙、蚊の目玉のスープまで。伝統食品あり幻の珍グルメあり。「奇食とは、人間世界の謎を開ける鍵なのだ」という著者の、悶絶必至、味の大冒険。人間の業の深さを実感する珍グルメ全集。文庫化にあたり、パンカツ、トド、イソギンチャク、蘇など8品を増補。全56品。

目次

はじめに…奇食は美食なり
第1章 奇食への招待状
第2章 伝統の奇食
フグの卵巣の糠漬け 猛毒を食べる文化(石川県)
漬物ステーキ これぞ純和風ステーキ(岐阜県飛 地方)
サンショウウオ 大食通・魯山人も絶賛(福島県檜枝岐村)
おたぐり 「糞の味」の魔力(長野県伊那地方)
イルカ かわいい動物を食べていいのか?(静岡県伊豆地方)
なれずし 三十年熟成の妙味(和歌山県新宮市)
ツキノワグマ 獣肉界の勇者(東京都)
メダカの佃煮 雪国の郷愁(新潟県)
酒ずし 仕込み方に秘密あり(鹿児島県)
ヘビ 幻のヘビ飯を求めて(中国)
ザザムシ・ハチの子 人はなぜ虫を食べないのか(長野県伊那地方)
ウマのたてがみ 本当に食べられるのか(熊本県)
クジラ 日本の伝統食ではない?(日本各地)
ウサギ 「一羽、二羽」と数えるわけは(ヨーロッパ)
サボテン 生食よし加熱してよし(メキシコ)
カンガルー クジラとどちらがおいしいか(オーストラリア)
鶏のとさか 王妃も愛した媚薬(フランス)
サソリ 毒をもつ生き物の底力(中国)
ザリガニ エビとカニの中間の風味(世界各地)
土 正常なのか異常なのか(世界各地)
カエル 名コックの策略(世界各地)
第3章 奇食界のニューウェーブ
みかんご飯 ポンジュースで炊こう(愛媛県)
サラダパン たくあん入りの洒落たやつ(滋賀県湖北地方)
甘口イチゴスパ 中京奇食界の最高峰(名古屋市)
味噌カレー牛乳ラーメン 辛さと優しさのせめぎ合い(青森市)
いちごシロップもんじゃ 子供の前衛的実験料理(群馬県伊勢崎市)
パイナップル茶漬け 和洋折衷の極北をいく(愛知県一宮市)
ブラックバス 湖のギャングを食い尽くせ(滋賀県草津市)
ゼリーフライ 謎が渦巻くローカルフード(埼玉県行田市)
シュールストレミング 世界で一番臭い食べ物(スウェーデン)
第4章 めずらしい飲み物
樹液 木々の生命をいただく(北海道美深町)
イカスミジュース 飲んではいけないものを飲む(名古屋市)
カレーラムネ・わさびらむね インド人もビックリ(静岡県)
アブサン 幻覚を呼ぶ「飲む大麻」(スイス・フランス・ドイツ)
第5章 不思議なデザート
ふなずしパイ 「夜のお菓子」のホープ(滋賀県守山市)
まんじゅうの天ぷら もったいない! の精華(福島県会津地方)
みそカツ丼アイス・親子丼アイス 本物の肉で勝負(名古屋市)
納豆コーヒーゼリーサンド 超現実的なカオス(三重県鈴鹿市)
バクラヴァ 地球で最も甘い菓子(トルコ)
サルミアッキ 世界一まずい飴か?(フィンランド)
ハチの巣 人類最古の菓子(ニュージーランド)
第6章 幻の珍グルメ
紙 味噌汁の具にどうぞ(日本)
毒キノコ 不思議の国のアリスもお気に入り(長野県・宮城県)
トラ 加藤清正はなぜ狩りをした?(日本・中国)
ラクダのこぶ 満漢全席の片鱗へ(中国)
キビヤック 鳥の肛門から液を吸い出す(北極圏)
蚊の目玉のスープ 地上に実在するのか(中国)
人魚 不老長寿の薬(世界各地)
第7章 文庫版増補
パンカツ 炭水化物道を極めよ(東京都)
トド この世の不条理を喰らえ(北海道)
ソテツ 地獄を呼び起こす植物?(南西諸島・ポリネシア)
カメノテ 怪獣の手か?(スペイン・日本)
イソギンチャク 若い男の○○○?(スペイン・有明海)
ワラスボ 海からやって来たエイリアン?(有明海)
蘇 古代の乳製品(日本)
イヌ 日本の伝統食か? (アジア・ヨーロッパ・アフリカ)
おわりに…奇食は世界を動かす
文庫版のための後書き
奇食セレクト95
主要参考文献
解説 宮田珠己

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

98
世界の奇食について。以前発行されていた本の増補改訂版。当時紹介されていた飲食店が店じまいなどした旨なども追加。蛇や犬などは世界レベルで見れば驚くことは無いと思う。名古屋の喫茶店で出されている甘口いちごスパやミソカツ丼アイス、パイナップル茶漬けなどに反応した。世界一臭いというスウェーデンの缶詰に挑戦するあたりは発酵学の権威小泉武夫先生の向こうを張っているのかも。奇食といえば中学校のとき同級生にチョコレートラーメンやコーラごはんというのを食べる子がいたなあ。食文化は幅広くて奥の深い世界だと思った。 2021/04/18

有理数

19
カンガルー、鶏のトサカ、ザリガニ、カエルといった国の文化に根付いた伝統的なものから、ポンジュースで炊いたみかんご飯やパイナップル茶漬けといった、伝統と現代の感覚がミックスした新しいものまで、古今東西の「奇食」を食べ求めるエッセイ。すごい。本当にこんな食べ物があるのか、という驚きと、それが生まれるに至った過程や文化も含めて書かれており関心する。正直「これは過剰では」と思う解釈や考察がある気もするが、あらゆる奇食を食べる執念には圧倒される。同時に、食べ物=人間の営み、ということの意味がとてもよくわかる一冊。2021/05/07

ろここ

17
世界といいつつ、国内のものが多かった。旅先×珍しい食べ物、という組み合わせが好きなので、本書で紹介された奇食も結構経験済みだったな。メダカの佃煮って紹介されるような奇食だったのかと個人的には驚き。 それでも奇食の考察として世界の食文化の解説があって勉強になる。土を食べる文化は理解できない範疇だなぁ。あと蚊の目玉のスープの作り方!こわー。2022/03/31

niz001

10
文庫で買い直し、のはずだけど親本登録してないな。割とベタなものが多いけど幅広い、増補部分も多い。度々出てくる喫茶マウンテンw。「伝統的な奇食は信州に多いが、新しい奇食は名古屋周辺に多い」は名言ww。2021/04/13

asobi

8
「たべられる生き物」と随分被るなあと思ったけど、巻末の参考文献を見てナットク。チャレンジする姿勢はすばらしい。で、生き物じゃないのが、おかし類で、この「世界一まずい飴」。20年近く前、上司が旅行土産で買ってきたのがこれ。サルミアッキ。アルミサッシみたいな名前だけど見た目石炭、試しに口に入れたけど、その後の記憶がない。食べてないことはたしかだ。まずいというより、もっと穏やかなんだが食べちゃいけないものって感じがした。やさしいおじいちゃんのような上司で僕は好きだったが、周りの皆は無理して食べていたようだ。2021/07/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17669744
  • ご注意事項