内容説明
性暴力の記憶、毒親、貧困、セックスレス――それぞれの「限界」を抱えて、身体を売る女性たち。過去の傷を薄めるため……。「してくれる」相手が欲しい……。そこには、お金だけではない何かを求める思いがある。ノンフィクションライター・小野一光が聞いた、彼女たちの事情とは。著者が20年以上にわたる風俗取材で出会った風俗嬢たちのライフヒストリーを通して、現代社会で女性たちが抱えている「生と性」の現実を浮き彫りにするノンフィクション。
目次
第一章 ＳＭクラブで働く文学少女・アヤメ
第二章 歌舞伎町で働く理系女子大生・リカ
第三章 アヤメ その後
第四章 リカ その後
第五章 セックスレスの人妻・ハルカ
第六章 処女風俗嬢・カオルの冒険
第七章 育児と介護と風俗と――妊婦風俗嬢・アヤカ
第八章 90年代の女子大生風俗嬢・ミホの現在
第九章 生きるための居場所――ＳＭ嬢・アザミ
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
38
★★★★★「「高三の大晦日に、理不尽なことで母親に怒られたんですね。そのとき頭に血が上って、つい『あんたの再婚相手に私がやられてるのわかってないでしょ』って言ってしまったんです。……母からは『どういうこと？』って問い詰められて、これまであったことを全部話しました。もう母は半狂乱ですよ。……それで私が母から『あんたが拒否しなかったのが悪い』って責められました。それ以降は何かあるごとに、『あんたはなんでも、私のものを盗るからね。男でもなんでも』って言われるようになったんです。」」義父から性的暴力をされた上に2021/09/24
カッパ
15
風俗嬢の個人的な話を聞いたような本でした。仲良くなってみて、実はという話をきいたようなそんな感じです。レイプさせたとか家庭環境が複雑だとか、そんな想像どおりの子がいたり、ひょいと入っちゃう子がいたりする。そんな大したことない話なのかもしれない。と、思った。2022/05/08
おさと
6
生い立ちが…(´・ω・`) 風俗は自分で選んだものだけれど、家族は選べない。しんどい。2024/02/05
たか
6
様々な理由で風俗に携わる女性。一度携わるとなかなか抜け出すことが困難な仕事。自分には理解できないな…。2021/10/25
らむこ
4
ほぼやり取りの羅列なので、作者の個人的な趣味での取材という印象が拭えない。風俗にはこういう背景で入る子がいるよという紹介にしか思えない。2023/07/10
