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内容説明
●巨大過ぎる牙のマンモス、体長より眼が離れたシュモクバエ…… ●不合理に見える進化の謎は「オスとメスの生物史」で解ける! ●性と進化にまつわる驚きの事実が満載の「全く新しい進化論」! 生物の進化を語る上で欠かせない「自然淘汰」。そんな自然淘汰の中でも、特徴的なのが「性淘汰」だ。これは「繁殖に有利な」種、つまり異性を巡る競争に有利な種が生き残り、そうでない種が滅びるというものである。しかし、「繁殖に有利な特徴」は、必ずしも「生存に有利な特徴」とは限らない。したがって、「異性を巡る競争には有利だが、生存には不利な特徴」などの、「世にも不思議な進化の数々」が現れてくるのだ。そもそも、無性生殖をしていた生物は、なぜ有性生殖をするようになったのか? オスとメスの関係は進化にどのような影響を与えてきたのか? そこには、想像をはるかに超える壮大な生物史のドラマがあった――。素晴らしくも不思議な「性の進化論」について、その根本から丁寧に解き明かす!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
136
進化における生物学的「性」の論説。ダーウィンで知られる自然淘汰説は、生物の変異自体が無作為に生じ、その集団が晒される環境変化で多くの子孫を残す特徴の変化が選択されるもの。さらにその選択を、子孫を残す親が生存に有利な特徴として選択される「環境淘汰」と繁殖に有利な特徴として選択される「性淘汰」とに整理。「性」によらない無性生殖は、異なる「性」の協働作業である有性生殖より繁殖に有利である。しかし、無性生殖の子孫は著しく多様性に乏しい。多様な子孫を生む有性生殖を獲得した「性淘汰」をいくつかの説で考察する。2021/12/01
樋口佳之
54
生物の遺伝情報は、おもにDNAによって子に伝えられる(ただし遺伝情報の一部は、染色体にあるタンパク質によって伝えられる)。/何度かサラリと書かれているのですが、この記述の意味するところも知りたいもの。/性はどうして進化したのだろうか。これは難しい問題で、現在でも完全に解明されているわけではない。しかし、よく知られている説はいくつかある。/このいくつもの説についてのお話の本でした。赤の女王仮説とか現下の状況では印象に残ります。2021/12/10
みこ
20
更科氏のこれまでの本を読んでいると地球上の生き物がいかに生を永らえるために己の姿を変えながら生を繋いでいったかを教えてくれる。今回のテーマは性、すなわち生殖。生物の進化が自分自身が生きやすくするためではなく、いかに子孫を残せるかという方向に進んでいる点や時にはメスに自分のみを捧げることで自身の子孫を残そうとしている点に驚かされる。オトコとオンナの悲喜こもごもの愛憎劇は何もヒトに限ったことではない。2021/10/16
haruka
17
私たち生物は、残酷で不幸なシステムを生かされているんだなぁと。「繁殖に有利な特徴」は「生存に有利な特徴」とは限らない。もちろん「個人の幸福」なんて全く関係ない。自分に向かう牙を持つマンモス、動きにくい重い羽根を持つクジャク。たとえそのせいでどんなに不快で不幸でも、子孫が増えるからそれでヨシ!で増強される。生まれた目的とか神が~ってギャーギャー言ってきた人類ってそもそも何言ってたんだろう。私たちが生まれたのはただの結果。そこから自由になれた生物はいない。2022/07/02
あつお
16
性の存在理由を語る本。 本書の主な内容は、①淘汰、②性、③菌類。①生物には安定する方向に進化する「安定性淘汰」と、偏った方向に進化する「方向性淘汰」が働く。世代交代において、主にこの2つの淘汰が働き環境に適応したのが、現在の生物の姿である。②個体の分裂においては、「有性生殖」は「無性生殖」と比較して2倍のコストがかかる。それを乗り越えるのは、優秀な遺伝子が拡散しやすい「ブレイ村の牧師仮説」によるもの。③また「赤の女王仮説」によれば、菌類などの「寄生者」と人類などの「宿主」の競合関係が性を増長している。2024/03/30
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