内容説明
終わりのない長い旅は、このときからはじまったのだ――。
カナダ、アラスカ、グリーンランド、ノルウェーなど北極圏とその周辺地域「極北」。
なかでも世界を駆け抜ける写真家・石川直樹にとって、20歳のときに登頂したアラスカの象徴・北米大陸最高峰のデナリ山は、すべての旅の〈原点〉だった。
極寒の地に生きる人々の暮らし、厳しくも美しい自然への畏怖。
人間の野生を呼び覚ます圧倒的な世界との出会いを瑞々しい文章で綴る。
開高健ノンフィクション賞受賞『最後の冒険家』以来、初の長編エッセイ、待望の文庫化!
目次
デナリ
アンカレジ
フェアバンクス
タルキートナ シトカ
ノーム シシュマレフ コッツビュー
ヌーク
カンゲルルススアーク イルリサット
ノルウェー北極圏
スヴァルバール諸島
イヌビック タクトヤクタック
二度目のデナリ
極北へ、ふたたび
解説 渡邊十絲子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
100
1998年20歳で北米最高峰デナリに登頂した。2001年チョモランマに七大陸最高峰登頂の最年少記録を更新した。そして2016年再び原点に戻りデナリ単独登頂を達成する。シェルパもいない全くのひとりで、頂上では横殴りの雪と灰色の空しか見えなかった。高校生でカヌーイストの野田知佑さんに出会い、星野道夫の著作で知ったアラスカへ旅し、植村直己の眠るマッキンリーを思いつつ、40歳になった。星野道夫も植村直己も、奇しくも43歳でこの地で世を去った。わずか百年に満たない人間の時とは異なる、極北という地の悠久の時を感じる。2022/02/03
penguin-blue
39
20歳でのデナリ登頂、各大陸の高峰登頂など凄いことを成し遂げてきたのに、著者の文章からはいわゆる「どや顔感」や気負いを感じない。歳を重ねても変わらない未踏の地への尽きせぬ好奇心と、過去に出逢ってきた人や、土地への温かい愛情、そして自然への畏敬。現地に暮らす人たちとの出会いや、描写を読んで、私は恐らく自分では一生訪れることのない極北の地や、高い山々を少しだけ近く感じる。詩人の渡邊十絲子さんによる「言葉」に関するあとがきも素敵だが、何より巻頭の温暖化によるアラスカ・シシュマレフの景観の変化の写真は衝撃的だ。2022/07/28
Book & Travel
38
写真家であり、登山家、冒険家でもある著者のことは知っていたが、著書を完読するのは初めて。世界各地を旅する著者だが、本書はアラスカ、カナダ、グリーンランド、北欧など、厳しい極北の旅とその地への思いを綴ったエッセイである。野田知佑氏に出会いカヌーでユーコンを下り、星野道夫氏と植村直己氏に憧れデナリ登頂を果たした著者。特に星野氏亡き後のアラスカのゆかりの地の訪問、シシュマレフ村の惨状など興味深く読んだ。一編一編はあっさりした印象だが飾らない文章で読み易く、日常を一時忘れ北の地に思いを馳せるいい読書時間になった。2023/10/30
そふぃあ
25
北米最高峰デナリ(マッキンリー)へのトライ、アラスカやノルウェーなどの北極圏へ訪れた記録が綴られている。 描写が淡々としていて、山の澄んだ空気感を思い出した。チョコレートなどの行動食を食べたくなってくる。何度も登山や旅をしているだけあってパッキングとか行動が効率的でさすがだと思った。魔法瓶ではなくナルジンボトルをうまく使っているところとか。死ぬ前に一度は北極圏へ行ってオーロラを見てみたい。2023/03/23
タカボー
12
星野道夫さんの大胆かつ無謀なお願いのエピソードも凄いけど、見たことも話したこともない相手を受け入れる人の懐の広さも凄い。自分の力の及ばない過酷な自然と共に生きる人々にとって、知らない人間が居候に来ることなど何の事も無いのかもしれない。世界最北の有人島スヴァールバル諸島。今まで存在も知らなかったけど、世界地図の上の端ギリギリに確かに載ってた。五度しかない夏。そこで暮らす人々は人生で半袖着ることあるのかな?とか考えてしまった。2021/09/11
-
- 電子書籍
- 34歳・売れ残りの恋は逆プロポーズから…
-
- 電子書籍
- 新NISA徹底活用(週刊ダイヤモンド …
-
- 電子書籍
- 傍観者、●●ちゃん【タテヨミ】第27話…
-
- 電子書籍
- 1と2 6 少年チャンピオン・コミックス
-
- 電子書籍
- 極楽!!めちゃモテ委員長(2) ちゃお…




