ちくまプリマー新書<br> 古代文明と星空の謎

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ちくまプリマー新書
古代文明と星空の謎

  • 著者名:渡部潤一【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2021/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684073

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内容説明

ストーンヘンジは夏至の日の出を示し、ピラミッドは正確に真北を向いて建造されている。古代人は星空から精密な方角や暦を導き出している。どの星を頼りに計測したのか、当時の星空から読み解く!

目次

はじめに
天文学が考古学の研究を進める
古天文学の三つの分類
第一章 巨石文化は何を示しているのか?
1 ストーンヘンジは天文学の事象を予測していた?
古天文学と巨石文化
巨大遺跡の四つの分類
ストーンヘンジについて
2 遺跡を科学的に考察するための天文知識
位置天文学とは何か
天球と二つの座標
地平座標
赤道座標
日周運動
南中と天体の出没方位
太陽の動き(黄道)と季節
季節や緯度で日没のようすが変わる
月の話 白道とは
出没方位図とスタンドスティル
月の出入りと遺跡の関係
地球の歳差運動とは
3 古天文学の視点で巨石遺跡を見る
ストーンヘンジの分析
ストーンヘンジはアナログ・コンピュータだった?
メジャー・スタンドスティルと二つの巨石遺跡
日本の巨石遺跡
巨石文化と天体観測
第二章 太陽信仰とピラミッド
1 ピラミッドはどこを向いているか
ミューオンで進んだピラミッドの研究
階段ピラミッド
屈折ピラミッド
真正ピラミッド
三大ピラミッド
ピラミッドの方位は歳差でずれている
天の北極を定める二つの説
建造年で微妙にずれるピラミッドの向き
北極星は何時に真北になるのか
太陽を使って「南」を計測する
エジプトの太陽信仰とは
2 暦はどうして生まれたのか
暦はなぜ必要か
春分や秋分でも昼の方が長い
曜日の起源は太陽系の惑星
「月」は月齢に因んでつくられた
3 エジプトの暦と天体の関係
月の満ち欠けをもとにした太陰暦
季節に合わせた太陰太陽暦
なぜエジプトで太陽暦が生まれたのか
360日に5日が加わった神話
ユリウス暦とグレゴリオ暦
3000年で1日ずれる
第三章 暦とマヤ文明
1 ピラミッドが暦をあらわしている
マヤ文明とは
マヤ文明の歴史 先古典期
マヤ文明の歴史 古典期
チチェン・イッツァ
暦のピラミッド
春分にうねる蛇
チチェン・イッツァの天文台と球技場
マヤ文明の衰退
2 天体観測をしていた!
マヤ文明の特徴 宇宙観と数字
太陽暦と優秀な天体観測技術
太陽暦と儀礼暦のカレンダーラウンド
金星の光でも影ができる
地球と金星の会合周期
太陽暦と儀礼暦と金星
長期暦
第四章 広大な海とポリネシア
1 海を渡るために発展したポリネシアの天文学
オセアニアの三つの地域
メラネシアとミクロネシア
ポリネシア
天測暦
灯台守はいなくなった
太陽を用いた方位の確認
季節ごとに目印となる四つのグループ
冬の目印の星と星座
春の目印の星と星座
夏の目印の星と星座
秋の目印の星と星座
航海のための星
2 星にまつわる物語
星の民話
ホクレア号
ポリネシアを西欧に知らしめた人物と天文現象
西欧にポリネシアを紹介したキャプテン・クック
金星の太陽面通過の観測
ビーナス・ポイントで見たグリーンフラッシュ
日本にも来た金星の太陽面通過の観測隊
第五章 世界最古の天文図、キトラ古墳
1 日本の古天文学はどうなっているか
日本の古天文学の研究対象「キトラ古墳」
キトラ古墳の調査
天文図の重要な五つの要素
古代中国星座の基本は28宿と4神
中国と西洋の星座のちがい
正距方位図法で描かれた星座
星や星座が沈まない内規
見ることのできない外規
2 キトラ古墳に描かれた星図はいつのもの?
キトラ古墳の古天文学の二つの研究
描き込まれた赤道、黄道、内規、外規
赤道と内規の半径の比で緯度がわかる
星宿図の原図の観測年代は?
28宿の五つの星から観測年代を推測
六つの星から内規の緯度を推定して作成地域も特定
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

174
様々な天文現象と古代の観測技術。古代の天文記録からその観測結果の前代を逆算する。古天文学という分野があるらしい。古代日本、マヤ文明、エジプト、メソポタミア、ポリネシア。古代から星は人を引き付けてきた。季節や方位を知るために、更には興味本位によって。現在と過去が天文学でつながるというのは楽しい。古代のロマンと最新技術のハーモニー。2022/03/23

へくとぱすかる

80
古天文学の入門編。天文学の知識があったほうが楽しめる。ピラミッドやマヤ、ストーンヘンジなど、ややも間違えるとオカルト方面に迷いこみそうだが、さすがにそんな要素は皆無。いたずらに古代文明の高さを強調せずに、正当な記述に徹した感がある。キトラ古墳の話題が目新しかった。壁画に書かれた星図の年代・位置が、研究者によって結果が異なったのは興味深い。新たな証拠が現れるまで、決めつけないのが正しい態度だろう。いずれにしても、古墳の年代より古い星空を描いていることは確からしい。飛鳥では天文学はまだこれからだったのか?2021/08/13

みつ

22
古代遺跡と星・月・太陽の天体運動の関連について、天文学の知識を駆使して読み解く本。歳差運動や暦の進化も含め、これまで数百回通ったプラネタリウムで時々に学んだ内容も多いが、まとめて読むことができるのが嬉しい。中でも黄道(天球面での太陽の通り道)と白道(同じく月の通り道)のずれやキトラ古墳の星宿図から観測地点を推定する手法などはこの本で初めて知った。それぞれの文明が天体観測をいかに重視していたかもわかる一方、気候が農業に及ぼす影響の違いから暦に求める精度が異なる(太陰暦をそのまま用いる)との指摘も面白い。➡️2022/04/09

buchi

10
最近は個性的なヒゲの姿になられた国立天文台長、渡部先生の著書。イギリスの巨石文化、エジプトのピラミッド、マヤ文明の暦、ポリネシアの航海術、日本の古墳、それぞれの文化と天文との繋がりの考察。マヤ文明はなかなか高度な文明で面白いですね。どうして衰退したんでしょうねぇ?今でも美しい星空だけど古代、光害が無い当時はスバラしい星空だったんだろうな。彼らも眠れない夜に星空を見上げて色んな想いを馳せたんでしょうなぁ。本の内容は結構ザックリでしたが得るものは色々ありました。2023/02/01

kurupira

10
なるほど、歴史と天文学を掛け合わせて多面的に見ると新たな事実が浮かび上がるとは興味深く、なかなかの良本だと思う。天文知識の解説はさっと読んでしまったが暦の起源など勉強になりました。最後の章でキトラ古墳は世界最古の天文図だとあるが知らなかった、、数年前に東京博物館の展覧会で見た時もきっと説明あったはずだが、、あまりの人の多さに数秒だけ見て通過したことしか覚えていない。。2021/10/13

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