内容説明
量子コンピュータは、量子力学を使って能力を飛躍的に向上させた次世代のコンピュータ。従来のコンピュータ(古典コンピュータ)の素子は「ビット」で扱うのに対して、量子コンピュータでは「量子ビット」 により情報を扱う。本書では、この話題の技術について、基礎理論から、関連知識、開発状況、未来展望までを紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
9
【残念、歯が立たず】2021年1月刊行。今話題の「量子コンピュータ」の概略を知りたくて、検索により題名から選んだが、甘くなかった。高校レベルの理科系の素養では予備知識として足りない。核心の部分が理解できなかった。周辺的な収穫はあった。量子コンピュータは1982年に米国の物理学者リチャード・ファインマンが提案し、85年に英国の物理学者デイヴィッド・ドイチュが計算モデルを考案したという。ファインマンの名前は懐かしい。2021/08/13
うぃっくす
7
今まで読んだトコトンやさしいシリーズの中で一番やさしくなかったw量子コンピュータはすごい!早い!って言われてるから何がどう違うのなと思って読んでみたけど量子力学の基本から応用まで?なのかな?わかってないと無理では。最近のエンジニアってすごいんですね…。わたしに唯一わかったのは従来のアナログ型は0/1でしか処理できなかったけど量子コンピュータは重ね合わせを処理できるから指数関数的に処理できる量が増える、と。ただし重なり合った状態で観測はできないから出力の数は低い?みたいな?わからん。複雑化に脳が追いつかない2022/10/06
こもも
6
誰にとってトコトンやさしいのか…?と思ってしまうくらい難解でした。もう少し勉強してまた再読したいと思います。量子コンピュータの概要と今どこまで研究が進んでいるのかということは押さえられました。量子スプレマシー(量子超越性)を実証したと最初に名乗りを上げたのがGoogle。54個の量子ビットを持つSycamoreが、スパコンで1万年かかる計算を3分20秒で解いた。(ただしIBMは、自社のスパコンなら1万年じゃなく2日半で可能と言っている。)個人的には量子暗号についてをもう少し勉強したい。2021/09/05
富士獣
2
対象層と表紙の色合いが近い『絵で見てわかる~』と比べると「1年情報が新しい」「量子ビッドの説明が丁寧」が長所。あとコラムの映画紹介が面白い。一方で「(日本のビジネスパーソンが主に興味がある)量子アニーリングの説明が少ない」「著者はこの分野の専門ではないので一部芯を食ってない」「本当の門外漢が読むにはやや敷居が高い」ため、どちらか1冊だけ読むなら『絵で見てわかる~』かも。2022/10/22
regacian
1
表紙や題名の印象とは異なり、かなり踏み込んだ内容を扱っている本だった。量子計算のアルゴリズムの面では高速な素因数分解法であるショアアルゴリズムの解説、量子コンピュータの実現の面ではトランズモン型量子ビットの説明まで含まれる。1トピック見開き1ページなのは見やすいのだがこのトピックではもう少し紙面を割いてほしいと感じることも多かった。ブラ・ケット表記などの量子力学の知識は前提としてないと通読は厳しいと思う。また、理解を深めるためにはQiskitのテキストなど別の資料も適宜参照しながら読むことをおすすめする。2021/07/23