内容説明
本書は、移民としてニューヨークへ渡った人々の異郷の地での創作活動の意義と作品の背景を、1910年代から30年代を中心に、当時の新聞・雑誌などの活字メディアや絵画・彫刻などの美術作品とその展示を丹念に調査し明らかにする。とくに各種展覧会の出品目録や図録を網羅的に探索し、それらの作品の分析を通して日本人社会と現地のコミュニティとの関係性に迫る。そこには、在留邦人の社会生活の充実を図ると共に、時代の流れに即応し「反戦・反ファシズムと文化の防衛」を掲げ、日米間の良好な関係を構築しようとした画家たちの意思が浮かび上がる。