内容説明
20世紀後半の現代哲学に、最も先鋭的かつ重要な潮流をなした、アメリカ言語哲学。その最前線を形づくってきた、サール、クリプキ、デイヴィドソン、クワイン、ローティら哲学の巨人の思想を、言語行為論、指示理論、根本的解釈説、メタファー論、反表象主義などの主要な議論から精査する。その考察から、彼らの視点には、実はデカルトやロックらの近代観念説やヨーロッパの解釈学とも通底するものがある、という事実が明らかになってくる。西洋哲学全体の流れの中で最先端のアメリカ言語哲学の核心に迫る、絶好の一冊。
目次
まえがき
第Ⅰ部 アメリカ言語哲学の位置
第一章 分析哲学の潮流の中で ──現代アメリカ言語哲学の歴史的背景
1 分析哲学と現代アメリカ哲学
2 言語論的転回と言語批判としての哲学
3 論理実証主義とその変貌
4 日常言語哲学
5 新たな展開
第Ⅱ部 アメリカ言語哲学の諸相
第二章 言語行為と志向性 ──サールの言語哲学と、心の哲学によるその基礎づけ
1 サールの言語哲学
2 オースティンの遺産
3 サールの言語行為論
4 心の哲学への移行
5 志向性理論の基本
6 心の哲学による言語哲学の基礎づけ
第三章 指示理論とプラグマティズム ──サール・因果説・ローティ
1 指示理論の変遷
2 ローティの基本的発想
3 ローティと指示理論
4 サールの指示理論の基本的枠組み
5 サールの固有名論
6 因果説の反逆
7 サールの反論
8 プラグマティズムと実在論
9 ローティのサール批判
10 指示理論は必要か
第四章 解釈学のもう一つの系譜 ──根本的翻訳・根本的解釈・創造の哲学
1 解釈学のもう一つの系譜
2 根本的翻訳の基本的枠組み
3 好意の原理と翻訳の不確定性
4 不確定性の度合い
5 根本的解釈
6 「好意の原理」再説
7 デイヴィドソンのマラプロピズム論
8 デイヴィドソンのメタファー論
9 創造の哲学
第五章 反表象主義・語彙・自己形成 ──もう一つの人間像
1 もう一つの人間像
2 ローティの反表象主義
3 クワインにおける刺激と理論
4 クワインの自文化中心主義
5 クワインとデイヴィドソン
6 つき合わせのない対応
7 自己形成の哲学
8 直観──有限性と絶対性とを媒介するもの?
9 言語の遍在性
10 語彙の複数性と科学的語彙の位置
11 語彙の偶然性と自己創造
第六章 補論
クワインの遺産 ──ノイラートの舟
1 ノイラートの舟
2 規約主義
3 クワインの基本的態度
4 「規約による真理」
5 「二つのドグマ」の全体論
6 存在に関する二種類の問い
7 クワインの一元論とプラグマティズム
8 プラグマティックな考察の場
9 存在論的相対性と背景言語
第Ⅲ部 近代観念説と現代アメリカ哲学
第七章 デカルトにおける形而上学と自然学との間 ──「観念」の自然主義的論理空間
1 再考の視点
2 精神への還元と観念の「表現的実在性」
3 物体への超出
4 物体観念の限定
5 表現的実在性と形相的実在性
6 観念と外的運動との記号的・機会因的関係
7 イギリスにおける観念の論理とその解体
第八章 経験論の自然主義的枠組み ──ロックとクワイン
1 経験論再考
2 ロックの観念説の見直し
3 ロックの知識論の隠された構造
4 クワインの経験論
5 自然主義の擁護
第九章 デイヴィドソン的反表象主義と近代観念説の論理 ──ローティの歴史理解に抗して
1 批判の視点
2 デイヴィドソン的反表象主義
3 ローティのカント批判
4 デイヴィドソンのクワイン批判とその妥当性
5 「観念」の論理空間とその変貌
6 バークリの場合
7 カントの認識論の枠組み・再考
第十章 包括的歴史主義と最近のロック解釈 ──ローティ・エアーズ・ウィルソン・クワイン
1 ローティと自然主義的認識論
2 ローティ・エアーズ・ウィルソン
3 「語りえないもの」
4 ウィルソンの批判に対する反批判
5 問題の所在
6 観念説の論理とローティ
7 クワイン再説
注
あとがき
感想・レビュー
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Z
愛楊
アロゲロゲ
無人島
2kz1
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