内容説明
どうして私たちは、ひとりきりで存在できないの。業界関係者の新年会で知り合った作曲家のレイカとアイドルの真子。二人は倦んだ日々からこぼれる本当の言葉を分け合う。気鋭の作詞家初小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きあら
25
ハロプロの楽曲の作詞を手掛ける児玉さんの初小説。金融機関に勤める2人の短編。片やアイドルグループに楽曲を提供する玲香、片やYouTuberとして凸撃する宏道。片やイヤホンで外界からの侵入を防ぐ静の世界。片やマイクを通して毒を排泄する動の世界。出だしは退屈さを感じたけど、徐々にその対比に引き込まれた。2021/09/03
おおにし
21
私には令和の若者たちの日常生活の描写でわからないところが多いが、主人公玲香がおせっかいな同僚、林の前でiPhoneを地面に叩きつけて「なんで林から、正しさを教えられなきゃいけないの。」と叫ぶシーンは印象に残った。自分から時間、気力を奪っていく同僚に対する玲香の怒りには共感できるところがある。『凸撃』ではYouTubeでこんな不毛な口喧嘩がコンテンツとなっていること自体に驚いた。最近よく聞く「論破」という言葉はこのような場面で使われているのだろうな。2021/11/11
櫻井愛
8
ヒリヒリするお話2作でした。児玉雨子さんのハロプロ楽曲の歌詞が好きなのでこの本もセレクトしたのですが、歌詞の世界のように感情の喩えが逸脱。ノイズキャンセリングのイヤホン、外界との拒絶、わずかだけどわかるような気がする。だからこそ、簡単に踏み込まれたくない守るべきもの、それがあるのにアイドルや顔出し配信者は簡単に叩かれる。踏み込んでしまった主人公ふたりはアイドル/配信者を正義感で傷付けてしまう。ちょっと終わり方が唐突で突き放された感じがしたけど、それも余韻になるのかもしれない。2025/02/09
ぶきちゃん
8
児玉雨子さんの作詞された曲が好きなので手に取りました。文学味が強くて驚いた。さすがに言葉を操るのが上手だなあ。どちらの主人公達にも共感できる部分はないのに、読んでいるうちに自分の中の膿んでいるものをひっぱり出されるような感覚でした。読んでいて気持ちの良い話じゃないけど、でも目が逸らしがたい。宇佐美りんさんの作品と似通うものがあるなと思った。2023/08/21
氷風
7
めちゃくちゃ今が反映されている作品。出てくるものがものすごく今っぽい。だからこそすごく生生しいなって。アイドルがどこか悟りながら活動しているとこも、炎上っぽい配信も、でもどこかで子供っぽさの無垢さみたい片鱗はあるところも。すべてが今この日本のもしかしたら身近であるシーンだなぁって思わせる。/自分が正しい、劣っている同僚に教えてあげなきゃって声高らかに教示されたことへの爆発で主人公が地面にiphoneを叩きつけるシーンはちょっと爽快。奪われることへの反撃。まぁ私は日和って脳内でとどめておくだけだけど。2022/09/19
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