- ホーム
- > 電子書籍
- > 趣味・生活(スポーツ/アウトドア)
内容説明
フライフィッシャー兼ライターの佐藤成史さんが20年前にまとめた「瀬戸際の渓魚たち」。 多くの声にお応えして、ついに復刊します。 前作の章タイトルをあらためて列記します。 1 ヤマメの南限を求めて 2 屋久島のヤマメ 3 “マダラと九州ヤマメ 4 国境の島に住むヤマメ 5 四国山地にイワナを追いかけて 6 四万十川と天然アマゴ 7 隠岐島探釣記 8 ゴギの里にて 9 限りなくヤマメに近いアマゴが棲む渓 10 南紀のアマゴ 11 キリクチ 12 流紋岩魚と奇蹟の渓 13 琵琶湖とイワナたち 14 イワメの渓 15 サツキマス 16 黒部源流日本最高所のイワナ 17 別荘地に残されたイワナ 18 種の境界と混沌 19 神流川源流の天然イワナ 20 失われた渓と無紋ヤマメ 21 阿武隈高地の天然イワナ 22 タキタロウと大鳥池 23 カメクライワナを巡る旅 24 無差別放流への警鐘 25 小渓の幽魚無斑イワナ 26 スギノコ物語 27 オショロコマの南限 28 オショロコマの楽園 29 北の原野にイトウを追い求めて 30 日本最北の島々と渓魚たち となっています。 これらを地方別に再編集し、20年後の今、それぞれの渓魚たちの現状も加筆します。 本書は貴重な渓流魚の記録でもありますが、環境の変化を知るためのツールでもあります。現在の渓流環境を考えるうえでの必読書といえるでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
18
イワナやヤマメといった渓流に棲む魚は地域により紋様が違っており、豊富に掲載されるカラー写真を見てもそれぞれ独特の美しさがある。話の多くが90年代であるが、この時点で過度な放流や護岸工事の自然破壊などでイワナやヤマメ等が住める環境は減少、古くからいたその川・地域固有の特徴を持つイワナやヤマメも遺伝子の混雑で姿を消しているという。現在は自然保護運動の高まりでかろうじて現状維持は出来ているが、今後も予断を許さない状況ではある。2024/05/08
toshi
11
フライの雑誌ではおなじみの氏が渓魚や渓魚の住む環境について書いた本。多分、昔書いた本にちょっと手を加えて再発したか色んなところに書いたものを寄せ集めてまとめたもので読んだことのあるような話が結構有った。「東日本編」となっていて第16章から始まっているので「西日本編」の続きと言う位置づけらしい。釣行記のような話も有れば専門用語が飛び交う学術的な話も有って一貫性はないものの、どの話も明るい未来は絶望的と言う感じで悲しくなるばかり。せめて私が渓流でフライを振っている間は今の状態が維持されていることを願うばかり。2020/08/14
六点
6
「純粋な遺伝子」「遺伝子汚染」「純系イワナ」とまるで 、どこぞのベルリン動物園の園長さんのような、「純粋遺伝子」熱心党である。「自然」と釣への愛が溢れ出ている故の事であろう。東日本のイワナとその眷属の置かれた「瀬戸際」な状況を描いて余りある。ぬこ田は釣りは解らぬ。フライフィッシングとテンカラ釣りの差異が、用語が横文字な以外あるのかよと思うくらい釣りには暗い。全てが変転の中にある現在に於いて、いや、無意味かつ不毛な感想はやめよう。ただ、本邦における自然保護運動家の90年代における、限界の標本といえる本だ。2021/03/07