ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方

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ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方

  • ISBN:9784492315330

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内容説明

人々の語る「ナラティブ」がいかに経済に影響を与え、経済を動かすかを分析した画期的な本。

世界を変えるニューテクノロジーに取り残されるわけにはいかない(ビットコイン)
ニューテクノロジーは雇用を破壊する(AI)
チューリップが売れるには合理的な理由がある(金融ウバブル)
銀行は大きすぎて潰せない(金融規制)
住宅価格は決して下がらない(不動産バブル)

あるナラティブは根拠なき熱狂となって人々の信念を変え、人々の行動を変えて、マクロ経済を大きく動かしてきた。

どうしてあるナラティブだけが繰り返されて、人口に膾炙していくのか?
ナラティブはどのようなメカニズムで、通説化し、人々の心をとらえるのか?
過去に語られてきた、有名なナラティブとはどのようなものか?
脳科学的に、人々はなぜそうしたナラティブを創り出したがるのか?

アニマルスピリット、それでも金融は素晴らしい、不道徳な見えざる手、と、現実経済を理解する上で
深い洞察を示してきたノーベル賞経済学者が、新しい経済学の方向を示す。

目次

はじめに ナラティブ経済学とは何か
第1部 ナラティブ経済学の始まり
第1章 ビットコインのナラティブ
第2章 一致性の冒険
第3章 感染、群れ、合流
第4章 なぜ一部のナラティブが流行るのか?
第5章 ラッファー曲線とルービックキューブの大流行
第6章 経済ナラティブのヴァイラル性に関する様々な証拠
第2部 ナラティブ経済学の基礎
第7章 因果性とナラティブ群
第8章 ナラティブ経済学七つの主張
第3部 繰り返される経済ナラティブ
第9章 反復と変異
第10章 パニックと不安
第11章 倹約vs顕示的消費
第12章 金本位制vs金銀複本位制
第13章 労働節約機械が多くの職を奪う
第14章 オートメーションと人工知能がほとんどの職を奪う
第15章 不動産バブルとその崩壊
第16章 株式市場バブル
第17章 ボイコット、不当利益、邪悪な企業
第18章 賃金物価スパイラルと邪悪な労働組合
第4部 ナラティブ経済学の将来
第19章 未来のナラティブ、未来の研究
謝辞
訳者あとがき
補遺 疫学モデルを経済ナラティブに適用する
参考文献
用語一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

90
《僕らは流行りの物語に浮かされてしまう》景気の好況等のより良い未来予測の為には、GDPなど数値データだけじゃなく、人々の行動を支配しているその時々の流行りの物語を解析の対象に取り込む必要がある!こんな問題意識を以て、ノーベル賞受賞経済学者がGoogleの用語登場頻度ツール等を駆使して合衆国の100年以上にまたがる景気変動と「物語」の関係の実証に挑んでいきます。第1部、第2部はイントロの趣で少しかったるい部分もありますが、第3部でこれまで史上に現れた9つの主要な経済的「物語」を紹介、見ていく所から(1/4)2022/03/21

KAZOO

79
ナラティブ経済学という分野が本当にあるのかわかりません。ひとつには高名な経済学者の著書ということで持ち上げられているのかもしれません。理論的な部分はあまりなく、人のことのはに上る言葉などがどのような影響を与えるのかの行動経済学の一分野をエッセイという形で表したのではないかと思われます。理論的な分析手法を明確にしてもらえればよかったという気がします。補遺には少し掲載されていますが。2021/11/26

よしたけ

43
実体経済を動かしているのは経済関連指標などではなく、非合理な行動に向かわせるストーリー(=ナラティブ)だと言う。個人が影響されるというミクロレベルにとどまらず、マクロ経済的な景気循環にナラティブは影響すると説く。株で財を成したケネディ大統領父の逸話は確かに面白い-靴磨き少年が株の話をしているのを聞きバブルを確信する-筆者主張はSNSで各種ナラティブを追えば、文化や流行と経済変動との関係を定量的に分析できるのではないか、ということ。着眼点は面白いが、翻訳が酷い。冗長だしGoogle翻訳かという感じで残念。2021/11/09

Kiyoshi Utsugi

40
「narrative」と「viral」は最後まで「ナラティブ」と「ヴァイラル」で通しており、分かりにくかったです。 「narrative」は、よく考えたら「narration」と考えればよかったんだと、最後の方になってから気が付きました。😅 「viral」も「virus」と考えればよかったですね。😅 気がつくのが遅すぎました… 経済学は、必ずしも全てが合理的に説明できるものではなく、流行語、流行するフレーズ(ストーリー)に影響を受けるため、それも考慮する必要があるということだと理解しました。2022/07/01

jackbdc

11
高揚感を味わえる、特に冒頭は。中盤以降は冗長でホントかなという疑問も浮かんでくるけれども、テーマは抜群に面白い。テーマ自体新しいものでは無いが、時代のツールを用いて過去の名だたる事情を分析し、一定のレベルにまとめ上げて論じた本書は画期的である。構想力と勇気は賞賛されるべきものと思う。最も印象に残ったのは、歴史は繰り返しているという事。過去の振り返りを将来予測に活かす方法が無いとは思えない。今は黎明期ゆえに未成熟さはあるが、今後ビッグデータ時代が加速して様々なツールが解析精度を高めてくれる期待もありそう。2022/02/19

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