内容説明
日本中の庭園を実測調査し、大著『日本庭園史大系』を編纂した一方、東福寺方丈庭園などの名庭を作り上げた「永遠のモダン」の求道者が語る、庭を作る楽しみ、観る楽しみ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
82
庭とは生活の場と密着して作られるものであり、現在鑑賞出来る日本庭園も依頼者がいる。地割・築山・石組・植栽の組み合わせで自然の美をいかに創作し、自然と共に生かすか。日々生長している芸術であり、変化してゆく。小堀遠州が桂離宮の造園の条件に金にお構いないこと、年月にお構いないこと、着手から完成まで見学に来ないことをあげたが、三玲はこれに依頼者がより高度性を持つことをあげる。何故なら作庭家が作った後長年手入れをするのは依頼者であり、そのようにして大徳寺大仙院の数百年変わらない庭を現代でも眺めていられるからである。2021/02/07
paluko
7
208頁「何千年さきで、もし殆ど私の庭が崩れ去って、その細部の一部だけが残ったとしましても、その最後の一部にも、私の生命は宿っているでしょう。」この遠大な信念というか、むしろ信仰には感動する。それはしかし伝統を守り続けるという意味でなく、むしろ「永遠と言うことを考えると、将来に於て、空路の発達の異常なものがあることを予想して、上空からヘリコプターの如きで飛行しつつ鑑賞の出来ることを計算に入れて地割」(45頁)などの革新的な方向に向かっているのも興味深い。2020/12/17
アメヲトコ
7
2020年4月刊。昭和を代表する作庭家、重森三玲の庭園論をコンパクトにまとめた一冊。伝統を固守するのではなく独創性をとの主張には力があり、桂離宮を評しては、もし自分に当時の条件をもとに作らせてもらえたらこれ以上に立派なものを作ってみせると豪語するあたりもすごい。その信念の強さに、読んでいる方の背筋も伸びる思いがします。2020/06/14
dzuka
6
京都の庭の作庭家といえば、小堀遠州、小川治兵衛と並んで名前があがる重森三玲氏の庭についての考えがつまった随筆集。 桂離宮に始まり自身作庭の東福寺の庭に至るまで、なにが大事かということを、自身が庭とどう向き合ってきたかを、いろんな観点で教えてくれる。なかなか作庭家の考えなど聞けずに、観光ガイドの説明に耳が慣らされている身としては、目から鱗が落ちた気がした。 重森三玲庭園美術館も行ったことはあるが、この本を読んでからいけばもう少し見方が違った気がする。いずれにしろ創作の大事さを教えてくれた。2020/09/13
takao
2
ふむ2022/07/18
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