内容説明
悪しき者に汚染され、天国との紐帯を断ち切られてしまった地球、ヒトの世界。取り戻すための神聖にして苛烈な旅に、8人の使徒団が乗り組む。ひとつの意思のもと、ひとつの行動原理を持つ彼らに、まさか不測の事態が起こるはずもなかった――。裏切り者、密航者、敵の侵入と占拠、そして仲間の死。笹舟のごとく揺れる巨大戦艦とともに、僕らは何処から来て何処へゆくのか。正統にして極北の、古野まほろにしか書けない本格推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
61
嘘をつけない少女達と嘘つき悪魔の「終末少女」続編。「執拗。まほろ、やっぱり執拗・・・！」インタビューで前作同様クリスティー＋海外古典映画影響だと聞いてても（それでなんでこれが作れるんだよ、まほろぉ！）、あのひとの関与は読んでても（いや隠す気ないし）、真相看破はまず、不可能。ミステリにおける伏線と百合を愛する人間なら読んで欲しい。ああ、どっちの意味でも尊い。邪教淫祠が徒党の贄達よ、まほろはまた特殊設定ミステリ業界にとんでもないものを産み堕としたぜ・・・！2021/08/07
雪紫
56
再読。去年の下半期及び（なお上半期は「孤島の来訪者」）個人的ベスト1。やっぱりまほろは執拗だが、この天国三部作は特にやり過ぎる・・・。話や展開、何割かの伏線は覚えてるのに解決編でやっぱり悲鳴を挙げるし、一部の伏線を忘れてたことも思い出してああ、となる。やっぱりすべてにおいて尊いわ・・・と言うかまほろのサイトでの紹介、難易度これで淡口ってどういうことよ。十分濃口だからねこれ！！2022/12/09
koma-inu
51
むぉー、コイツはスゴい！悪魔に征服された地球を、少女天使8人が再征服を目論む。クローズドの方舟で起こる仲間の死、恒例の読者への挑戦状。解決編の伏線回収の乱れ打ちで、ヘロヘロ••ヒントの多さが、逆に真相の大筋をかき消した感じです😅特に、「赤い◯」の伏線は圧巻。そしてラストの衝撃と感動、1ページ目の伏線回収と、最後まで油断ならない凝り様、凄い！本作だけでも楽しめますが、前作「終末少女」を先に読むと楽しさ倍増。シリーズの完成度が高く、次作「侵略少女」も楽しみです。2023/05/21
よしぱん
36
★3 だから違うってば、女子高生ジャケに見えるけど彼女たちは天使なんだ。余計意味わかんないだろうけどw 前作から数万年後、悪魔に乗っ取られた地球を奪還するべく巨大戦艦に乗ったセーラー服天使たち、そして悪魔の侵入。そんな特殊設定の中、密室殺人の謎とは？地球奪還計画の裏側とは？を突きつけてくる。600ページは疲れたけどもw やっぱり論理論理論理の果ての爽快なエンディング。続きだしネタバレあるし、前作読んどいた方がいいかも。そして次は最終作へ。2022/12/14
刃の下に心あり
30
★★★★★「終末少女」がめちゃくちゃ面白かったので、続けて読むことに。前作から幾万年後のお話です。前作のネタバレを含むことになるので詳細は控えますが、同じような流れで色々と事件やらが起き「読者への挑戦状」を迎えます。もちろん、真相パートではこれでもかという程にロジック攻めでボコボコにやられました（笑）そもそもの難易度が高すぎ！でも、それが楽しくて♪正直600P超えのボリュームと難易度にかなり疲れたので★４かと思いましたが、解決パート～最終ページまでの終わり方が素敵すぎる展開を迎えたので★５にしました♪2022/11/27
