内容説明
松村宗棍(まつむら・そうこん)は13歳の頃、友だちをいじめる少年たちを打ち倒した。それによって高名な武術家・照屋(てるや)に武の才を見出され、彼に弟子入りする。元服を迎えて首里王府の役人となるが、強さが評判を呼んで、国王に御前試合への参加を命じられる。思いがけず琉球屈指の強豪たちに挑むことになり――。国王との交流、「最強」の妻との出会い、好敵手との決闘、猛牛との闘い、弟子の自害……様々な出来事に直面しながら、彼は本当の強さを追い求めていく。しかし、琉球王国崩壊の足音が聞こえ始めていた……。幕末、琉球王国が滅びゆく時代に、国王の武術指南役を務めた松村宗棍。強さとは何かを追い求め、琉球空手の礎を築いた男の生涯を描く、著者入魂の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
205
今野 敏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 琉球王国末期、琉球空手の礎を築いた松村 宗棍の立身出世譚、スピード感があり、爽やかな半生でした。TOKYO2020の新競技「空手」でのメダルラッシュを期待しています。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/sokon/2021/06/24
初美マリン
125
沖縄での武術、空手は唐手だった。それを確立した物語。順調過ぎるような気もしたが作者のもうひとつの生きざまが納得できた作品2021/09/28
ゆみねこ
79
空手の創始者と言われる松村宗棍の物語。江戸時代末期琉球王朝の時代、13歳の少年松村が虐められていた友達を救ったことからその強さを見いだされ、王宮に仕え、琉球王の武術指南役に。宗棍の真摯さ、親国と呼ばれた当時の中国との関係、琉球を支配した薩摩藩。やがて明治の世へと時は移るが宗棍の「手」は空手へと昇華し、多くの弟子たちに受け継がれてゆく。空手有段者の今野さん、きっと楽しく執筆されたのでは?とても読みやすく面白かった。2022/06/09
榊原 香織
79
おもしろいです。琉球古武術シリーズ?最新作。 琉球王国末期の偉大な空手家、松村宗棍。 示現流の要素も取り入れたり、巻き藁作ったり、工夫。 奥さん強くてすごいね。 中国武術の技もいろいろ出てきます。2021/08/17
雅
74
松村宗棍の一生を描いた大河小説。人としての深さがカッコいいです2021/11/21