内容説明
臨床工学技士国家試験を目指す学生にも実務に従事している技士にも生体材料工学は重要な分野である。最後の章に医用材料の基礎として、生体材料工学の学習に必要な化学を整理し、初学者にも十分に理解できるよう解説した。
目次
1 臨床工学技士と医用材料
1.1 医用材料の種類と分類
1.2 医用材料の備えるべき条件
1.3 まとめ
引用・参考文献
2 医用材料の種類
2.1 医用金属材料
2.1.1 ステンレス鋼
2.1.2 コバルトクロム合金
2.1.3 チタンおよびチタン合金
2.1.4 貴金属合金
2.2 医用無機材料(バイオセラミックス)
2.2.1 アルミナ
2.2.2 ジルコニア
2.2.3 カーボン
2.2.4 ヒドロキシアパタイト
2.2.5 リン酸カルシウム系ガラス
2.3 医用高分子材料
2.3.1 シリコーン
2.3.2 ポリアミド
2.3.3 ポリウレタン
2.3.4 ポリ塩化ビニル
2.3.5 ポリエステル
2.3.6 ポリエチレン
2.3.7 ポリプロピレン
2.3.8 ポリメタクリル酸メチル
2.3.9 ポリメタクリル酸・2・ヒドロキシエチル
2.3.10 ポリテトラフルオロエチレン
2.4 生体由来医用材料
2.4.1 コラーゲン
2.4.2 ゼラチン
2.4.3 キチン・キトサン
2.5 まとめ
引用・参考文献
3 医用材料の応用
3.1 非観血的組織代替材料
3.1.1 軟組織代替材料
3.1.2 硬組織代替材料
3.2 観血的組織代替材料
3.2.1 人工血管
3.2.2 ステント
3.2.3 人工弁
3.2.4 人工心臓・補助心臓
3.3 体外循環治療用材料
3.3.1 人工腎臓
3.3.2 アフェレシス療法
3.3.3 人工肺
3.3.4 補助循環装置
3.4 インタフェース材料
3.4.1 カテーテル
3.4.2 血液回路
3.4.3 スキンボタン
3.4.4 ブラッドアクセス用シャント
3.5 まとめ
引用・参考文献
4 材料・生体相互作用と医用材料の生体適合性
4.1 材料と生体の相互作用とは
4.2 血漿タンパク質の材料表面への吸着
4.2.1 吸着タンパク質の脱着・交換
4.2.2 IgGの吸着配向性
4.2.3 吸着タンパク質の多層化
4.2.4 吸着タンパク質の構造変化
4.3 血栓形成反応
4.4 補体活性化反応
4.5 アレルギー反応
4.6 炎症反応
4.7 石灰化反応
4.8 癌化反応
4.9 それぞれの反応の相互関連
4.10 材料・生体相互作用と生体適合性
4.11 まとめ
引用・参考文献
5 医用材料の滅菌
5.1 医用材料の滅菌と消毒・殺菌
5.2 滅菌の定量的考え方
5.3 高圧蒸気滅菌法
5.4 エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法
5.5 放射線滅菌法
5.6 まとめ
引用・参考文献
6 医用材料の安全性評価
6.1 医用材料の安全性規格と試験法
6.2 物性試験
6.2.1 弾性
6.2.2 延性
6.2.3 圧縮強さ
6.2.4 靭性(衝撃強さ)と脆性
6.2.5 硬さ
6.3 化学的試験
6.4 生物学的試験
6.5 まとめ
引用・参考文献
7 医用材料の基礎
7.1 原子の結合と材料
7.1.1 原子の構造と元素周期表
7.1.2 電子の軌道と配置
7.1.3 電子式(最外殻電子の表記法)
7.1.4 一次的結合
7.1.5 二次的結合(分子間に働く引力)
7.2 金属材料
7.2.1 金属の構造
7.2.2 金属の性質
7.2.3 金属材料の種類と性質
7.3 無機材料
7.3.1 無機材料の構造
7.3.2 無機材料の種類と性質
7.4 有機材料
7.4.1 有機化合物の構造
7.4.2 高分子の合成と高分子材料
7.4.3 天然高分子材料
7.4.4 高分子材料の性質
7.5 まとめ
引用・参考文献
付録
索引