内容説明
「日本に経済格差はあるが、文化的には平等である」――戦後、こういった神話が語られてきたが、はたして本当に平等と言えるだろうか。平等だと言うことで、どういう現実が覆い隠されてきたのだろうか。
ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識と方法を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本の文化資本の機能を読み解く。
芸術・音楽・読書などの趣味とジェンダー/ライフスタイルの関係、趣味を通じた友人のネットワーク形成、家庭の文化資本が学歴や地位の形成に及ぼす効果とその男女差などの分析を通して、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性とジェンダーによる文化の差異を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
15
貴方の趣味はなんですか?と問うことには趣味が誰にも存在することを示唆しているが、趣味など存在しないのだ。暇な時間に何をしていますか?お酒を飲んでいます。では答えになっていないのだ。有意義で高尚で意味があり、有効な何かを探さなくてはならないし、それを続けなければならない。この世界はげに難しい。時間が限られる。〇〇民ごっこをしたいが、それをするには文化を継承するだけの時間がかかる。それを生きるには私の人生は短すぎる。電脳世界ではそんなことがなくなり、永遠の今を生きることで初めて趣味が生まれると思うのだが、いか2023/02/08
てれまこし
13
ブルデュー理論の日本での実証研究。日本でも「よい趣味」は親から子へと相続されて、学校や労働市場で収益を挙げる文化資本となる。だが、日本の場合はこれが性的分業で行われるらしい。男は学歴資本に資源を集中し文化資本の相続は女が引き受ける。だから男は学歴と文化資本が連動しない。学歴が上がると大衆化していく! というのも、日本社会ではこれが仕事上のつきあいに必須の共通文化の性格をもっている。勉強だけした野蛮人になって、スポーツ新聞とかパチンコを受け入れるオヤジになって、音大出かなんかの「お嬢様」と結婚するんだな。2022/08/10
センケイ (線形)
8
タイトルの近しい他の本とはまた違う切り口の面白さがある。いわゆる伝統文化のようなものは性別で表れかたが違うし、また伝統文化に精通していることと大衆文化と距離を置くことは必ずしもイコールでない点がまた興味深い。少数の調査結果から多くの章を生んでいる分、若干章間で重複を感じるのが少しだけ物足りないところだが、その分、一貫して傾向が見えてくるのが面白い点だ。2019/12/30
skr-shower
2
他地区図書館本。趣味”で”社会学ではなかった、勘違い。階層が再生産されやすく、クラスアップが難しいので趣味も固定されやすい?2020/03/23
稟
1
ディスタンクシオンに興味を持って。「現代日本における〜」と表紙に書かれているが、統計調査自体は90年代のものなのでそれが少し残念。ブルデューの議論を整理した後に、研究課題、具体的には日本とフランスにおけるハイカルチャーを享受する階層性の差異やジェンダーと文化の関係性などを設定し、仮説とデータの提示と結論を述べるという構成で、各章の論旨が明示されているため読みやすい。文化資本は男性の場合学歴や経済資本に転用されるが、女性では文化資本として継承されるという帰結は「花束みたいな恋をした」を思い出させた。2021/09/30
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