内容説明
私は73歳の新人スパイ、コードネーム・ルーキー。初任務で市長を暗殺するはずが、友だちになってしまった……。福音を届けにきてペーパーナイフで殺されたイエス・キリスト。泥棒稼業の隣人マダム。うっかり摘発したワリダカ社長の密造酒工場。森で出会った巨大なリス・キョリス!? 一度ハマれば抜け出せない。連鎖する不条理が癖になる傑作ユーモア・スパイアクション。(対談・伊坂幸太郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
109
夏に購入して、ようやく読めました。凄く面白そうだなと思い買ったのだけれど、残念なことに私にはいまいち合わなかったです。主人公のじいさんスパイに魅力を感じない。市長やキョリスは好きだったけど。映像なら面白いかな?2023/11/26
かぷち
78
ここは極東ニホーン国。頭脳明晰由緒正しきサラブレッドの血を引く私は、まさしく諜報員の最終兵器リーサルウェポン。今の今まで清掃員という閑職に追いやら、いや温存され、73歳後期高齢者一歩手前にして満を持して華々しいデビューを飾るのだ!そんな私の初任務は市長暗殺、お茶の子さいさい朝飯前の筈だったが… 新年早々笑わせてもらいました。ユーモアのセンスが独特なので人を選ぶが、ネジが何本もぶっ飛んでる作品なのでこちらもお酒飲んでぶっ飛んで読みましょう。突っ込みどころ満載とはいえくれぐれも真剣にツッコんではいけない。2024/01/02
Kanonlicht
74
どんなジャンルかとひと言で説明するのは難しい。主人公はスパイだけど、サスペンスでもミステリーでもない。コメディ要素はあるけれど、それ一辺倒でもない。全編にわたって著者お得意のシュールな世界が展開される。現実味がまったくなくてもしらけることなく読めるのは、くせになるほどの独特のワードセンスと「この世界だったらこれもありだろう」という妙な納得感を与えてくれる世界観構築の上手さだと思う。2022/01/29
ばう
63
★★ なんなんだ、この小説は?73歳のスパイが主人公。与えられた任務は独立を目論む市長の暗殺。でもこれが本当に「残念なスパイ」。本来スパイというのはその存在を隠して隠密裏に行動しなければいけないのにこのスパイときたら玄関先で人が死に、街中でカーチェイスを繰り広げ警察署長と仲良しになり密造酒工場の摘発に一役買い、町中の有名人になってしまう。最初真面目に読んでいたら頭の中が段々大変な事になってきて「ああ、これは意味を求めちゃいけないのか」と納得する事に。破茶滅茶だけれどなんだか温かい気持ちになれる物語でした。2023/11/20
やっちゃん
55
主役が70代って、、独特な文体で少し読みにくかったがすぐに慣れた。スパイものなのに緊張感なくむしろほのぼのといていて笑えるシーンも多い。いろんな作品をオマージュして笑わせにくるので気付けなかった面白い部分も多いと思われる。2023/12/08