新潮新書<br> 不要不急―苦境と向き合う仏教の智慧―(新潮新書)

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新潮新書
不要不急―苦境と向き合う仏教の智慧―(新潮新書)

  • ISBN:9784106109157

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内容説明

コロナ禍で突如我々の行動や存在を縛ることになった「不要不急」の四文字。「何が“要”で“急”なのか」、今も多くの人が頭を悩ませている。この難題に、十人の仏教者が挑む。「不要不急」を切り捨てて何のための人生か? 大切なものを他人に決めさせてもいいのか? 「生死事大」「無常迅速」「自利利他」など、仏教の智慧を駆使して、苦境と向き合うヒントを提示する。混迷の時代を生き抜くために必読の十人十色の不要不急論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

140
コロナ禍で定着する「不要不急」。それを考えるタイムリーな論考。10人の仏教者が随筆的に綴る。「はじめに」で紹介する「何が不要で、何が不急なのか」を主題として、それぞれの視点で考察。仏教的な「分別・無分別」「自力・他力」「生・死」などで捉える。現状「不要不急」の判断が、身近になった「死」の恐怖と必ず「お金」に紐づく価値観へ偏重する指摘が印象。概ね「不要不急は一般化できない」と諭し、そのために必要な「必要緊急または必要至急を判断する自主性や主体性」は他者と共存する社会の中の自己として考え行動することを勧める。2021/08/10

ムーミン

23
今のコロナ禍の世の中を冷静に捉え、自分のあり方について考える機会になりました。2021/10/23

西

21
コロナ禍においてテレワークというものを初めて経験した際に、自分の仕事って本当に必要なのかなと感じてしまった。自分がいなくても会社もしばらくすればまた回っていくだろうなと。では自分の仕事って何なんだろうと。不要不急、本当に必要で今やらないといけないことを突き詰めていくと、何が残るのだろうか。コロナの時代だからこそ考えられること、この機会に考えた方が良い事に気付かせてくれる本だった。十人十色、色んなものの見方があって、視野を広くもつことが大事だと思う。また時間をおいて再読したい。2021/08/13

ガンジス川沐浴子

7
色んな宗派の僧侶たちが不要不急をテーマに語る本。ちょっとタイトルの縛りがキツすぎな気が。ふーん、くらいで読んでいたけど、露の団姫氏が家賃問題について房舎施(他者に部屋を提供する布施行)の必要性を説いていて、家を失う不安をお坊さんたちは知らない人が多いのでは、と言っていていいこと言うな、と思った。そして次の松島靖朗氏は貧困者におすそ分けをする活動に取り組んでいて、ナイスだな、と思った。非常時で本当に困窮している人が溢れているんだから、そういった人たちの救済に取り組まないのなら宗教ってなんなのか。2022/01/22

coldsurgeon

7
現代社会に情報発信し続けている仏教者10名による、コロナ禍における「不要不急」がもたらす苦境と仏教が、どのように向き合うのかを論じたエッセイ集。「不要不急」こそが、人間が人間らしく生きるために必要なもだという。一日一日を、人生のかけがえのない時間として、主体性をもって、いとおしく生きていき、生ききるという生き方が、いま求められる。「不要不急」を求められ、自粛を要請され、そんな時代を生きる私たちは、未来の世代に、良き祖先 Good Ancestor と呼ばれるような行動ができているだろうか?2021/12/17

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