内容説明
猛烈な頭痛とともに目覚めたワトスンの目の前に現れたのは、滝壺に消えたはずのホームズ。彼は骸骨の姿で、ベーカー街はなんと死者の街に! この奇妙な世界にもモリアーティの影が――。驚愕のミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
ホームズ物のパスティーシュですがもともとは映画の脚本であったようですね。読んでいて数年前にディズニーの映画でメキシコが舞台のコミックがあり主人公の少年が死者の国に父親を捜しに行った話を思い出しました。この本ではホームズは骸骨にワトソンは犬になっています。モリアーティは蜘蛛ですが何とか猫のカトーの助けなどにより元の世界に戻ります。さっと読む分には楽しめます。2021/09/01
sin
60
ライヘンバッハの滝壺に消えたホームズと、原作のいきなり感半端ない永遠のライバル?モリアーティの、その行方を冥界に設定することで、ホームズの不在と復活を考察した設定にしろキャラクター造形にしてもアニメ臭がプンプンする物語である。そこに目醒めたやってはいけないと言われたことをどうしてもやってしまう天然足引っ張り助手ワトソンを語り手に、推理の楽しみにかまけて真の意味を御座なりにした名探偵が、冥界創造の謎に挑む!原作には現れないバリツの達人、猫のカトーがこの物語の肝だね「アチョ~!」2021/08/18
ひさか
44
2021年7月角川文庫刊。書き下ろし。ライヘンバッハの滝に落ちたホームズは冥界に髑髏となって転生していた。というアニメ化原案を下敷きにしたトンデモなホームズ譚。ワトソンも、宿敵モリアーティ教授も登場して、ホームズ世界の楽しい展開が面白かった。2021/09/12
うまる
37
『最後の事件』から『空き家の冒険』の空白の期間を埋める前代未聞の物語。ホームズの唐突な復活は色々考察されていますが、これは斬新な解釈で面白かったです。『四つの署名』の裏回答としても良くできていたし、同作に当日の日付の月が2つある事と、シリーズが短編から人気が出た理由にも説明がつくのが凄いと思いました。聖典読み込んだだけの事はあるわ。ほんと、よく考えたなぁ。 事件と推理という一般的なミステリではないので、ホームズ未読の方にはこの作品の面白さがわからないと思います。『四つの署名』くらいは読んだ方が良いかも。2021/08/20
yutan2278
26
ある朝、ベーカー街221Bで目覚めたワトスンは愕然とした。宿敵モリアーティ教授とともに滝壺に消えたホームズが、骸骨の姿で目の前に現れたのだ。しかも自分は犬の姿。そこはなんと、"死者の街"だった…。 ホームズが骸骨!?設定が奇抜ではありましたが、なかなかどうして面白かったです2023/08/03