なぜ、インテリジェンスは必要なのか

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なぜ、インテリジェンスは必要なのか

  • ISBN:9784766427523

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内容説明

▼インテリジェンスに理論はあるのか? 実態はどうなっているのか?
▼なぜ我々はインテリジェンスを知る必要があるのか?
▼外交、安全保障等の問題を的確に把握するためのリテラシーを身につけ、 「インテリジェンス」の理論と実践的な問題のすべてを解き明かす。

安全保障政策を判断するうえでは、我々にも必須となる「インテリジェンス」。
インテリジェンスとはそもそも何なのか? 
多くの方々に向けて、国家のインテリジェンス機能に関する理解を少しでも深めてもらうことを目的として執筆された教養書!

目次

はしがき/凡 例

第1章 なぜインテリジェンスを知る必要があるのか
 1 そもそも「インテリジェンス理論」とは何か
 2 外交、安全保障等の実務家にとっての意義
 3 実務家以外の人々にとっての意義
 Column 米国の大学等におけるインテリジェンス研究、教育

第2章 インテリジェンスとは何か――定義はない!?
 1 本書におけるインテリジェンスの定義
 2 インテリジェンスの機能
 3 インテリジェンス部門と政策判断者はどのような責任を負うのか
 4 インテリジェンスの定義をめぐる議論
 Column 「判断を支援する」と「判断を容易にする」は同義か/Column インテリジェンスの失敗

第3章 インテリジェンス理論に体系はあるのか
 1 インテリジェンス理論の体系――4つの基本理念
 2 基本理念1――客観性の維持
 3 基本理念2――政策部門からのリクワイアメント(要求)優先
 4 基本理念3―秘匿性の確保
 5 基本理念4―民主的統制の実施
 6 新たな理念
 7 理論上の課題
 Column インテリジェンス部門の情勢評価と大統領の政策の矛盾?

第4章 インテリジェンスの定義、機能に関連する様々な問題
 1 インテリジェンス、インフォメーション、情報はそれぞれ異なるものなのか
 2 同盟国、友好国等を対象としたインテリジェンス活動もあり得るのか
 3 インテリジェンスは特定の時代のみに重要なものなのか
 4 「対外インテリジェンス」と「国内インテリジェンス」は本質的に異なるものなのか
 5 捜査機関とインテリジェンス機関は別個であるべきなのか
 Column 「短期的インテリジェンス」と「中・長期的インテリジェンス」

第5章 インテリジェンス・プロセス
 1 インテリジェンス・プロセスとインテリジェンス・サイクル
 2 インテリジェンス・プロセスの各段階
 3 インテリジェンス・プロセス概念への批判と有用性
 Column 包括的なリクワイアメントの付与―ジョージ・W・ブッシュ大統領の例

第6章 インテリジェンス・コミュニティ(1)――意義・日本の組織
 1 インテリジェンス・コミュニティとは何か
 2 日本のインテリジェンス・コミュニティ
 3 日本におけるインテリジェンス機能の強化に向けた取組
 4 インテリジェンス理論とインテリジェンス・コミュニティの概念

第7章 インテリジェンス・コミュニティ(2)――米国の組織
 1 コミュニティの概要
 2 取りまとめ機関――国家情報長官、国家情報長官室
 3 政策部門とインテリジェンス部門の結節点
 4 米国のインテリジェンス・コミュニティの特徴
 5 米国のICに影響を与えた主な歴史的出来事
 6 インテリジェンス理論と米国のインテリジェンス・コミュニティ
 Column 国家情報長官の主な人事・予算権限

第8章 インフォメーションの収集
 1 情報収集の様々な手法
 2 オシント(OSINT)
 3 ヒューミント(HUMINT)
 4 シギント(SIGINT)
 5 ジオイント(GEOINT)
 6 各「イント」に共通の問題
 7 インテリジェンス理論と収集作業
 Column ファイブ・アイズ/Column 映画、ドラマに見る情報収集の手法

第9章 インフォメーションの分析
 1 「優れたインテリジェンス・プロダクト」とは何か
 2 分析をめぐる諸問題
 3 インテリジェンス理論と分析作業
 Column 分析手法の基礎/Column 「麦とモミ殻」

第10章 カウンターインテリジェンス――その他のインテリジェンス機能①
 1 カウンターインテリジェンスの定義と理論体系上の位置付け
 2 カウンターインテリジェンスの担当機関
 3 カウンターインテリジェンスの対象
 4 カウンターインテリジェンスの機能と施策
 5 カウンターインテリジェンスの直面する課題
 6 日本におけるカウンターインテリジェンス関連の諸制度の整備の経緯
 7 インテリジェンス理論とカウンターインテリジェンス
 Column エイムズ事件/Column ハンセン事件/Column 映画、ドラマに見るカウンターインテ
 リジェンス

第11章 秘密工作活動――その他のインテリジェンス機能②
 1 秘密工作活動の定義、特徴及び理論体系上の位置付け
 2 秘密工作活動の類型
 3 秘密工作活動をなぜ行うのか――秘密工作活動の正当性、要件・手続き
 4 秘密工作活動の直面する課題
 5 インテリジェンス理論と秘密工作活動

第12章 インテリジェンス・コミュニティに対する民主的統制
 1 基本的な考え方
 2 米国における民主的統制の制度
 3 イギリスにおける民主的統制の制度
 4 その他の主要国における議会によるICに対する民主的統制の制度
 5 日本における民主的統制の制度
 6 インテリジェンス理論と民主的統制
 Column インテリジェンスと文化――米英の比較

第13章 インテリジェンスの課題――伝統的な課題から新たな課題へ
 1 東西冷戦時代のインテリジェンスの課題
 2 東西冷戦後のインテリジェンスの課題
 3 インテリジェンス理論との関係


 本書注/引用・参考文献/あとがき/索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zoe

21
インテリジェンスとは、国家安全保障に関する政策決定を支援するもの。政策部門のリクワイアメントに対し、インテリジェンスコミュニティーが素材情報を収集し、加工し、分析をしプロダクトを生産する。それらは報告・伝達され、政策決定者により消費され、場合によりフィードバックを受ける。優れたインテリジェンスとは何か。客観性が維持されていること、時期を逸していないこと、特定のカスタマー向けの内容が絞り込まれていること、カスタマーにとって容易に理解可能であること、つまり簡潔・明瞭であること、結論の確度が明示されていること。2022/08/13

復活!! あくびちゃん!

10
「インテリジェンス」についての理論、制度設計やインテリジェンス・コミュニティ等、実践的な問題を含め全てを説明している教科書的な一冊。他国(特に米国)と日本について、成り立ちや状況をかなり詳細に説明している。気になったのは、あとがきにある『明治大学の講義は受講生のほぼ全員が留学生』の一節。日本人が受講していなくて本当に良いのか、切実な問題の様な気がする(逆に、防衛大学校の講義は「ほぼ全員が実務家」の様子だが)。日本ももっとしっかりとしたインテリジェンスを導入すべきではないかという思いが沸き上がる本でした。2022/02/16

Jey.P.

3
国のインテリジェンス活動の定義、理論的に望ましい形、活動内容、日米など主な国の制度、課題など。具体的な手法やエピソードが書かれているわけではないが、組織にどのような目的や課題があるかが分かる。独立性や民主的統制などは、専門家と意思決定者全般の読みかえてみると面白い。個人的にはSNSの「医療クラスタ」への違和感が言語化された。企業内の調査組織のあり方などにも参考になるかも。2021/10/03

Masayuki Shimura

3
【重要なことは、このように、現時点においてインテリジェンスの普遍的な定義は存在しないことを認識した上で、インテリジェンスに関する議論を行う際には予め定義に関する認識の相違の確認を行うことです】(文中より引用)・・・・・安全保障問題と密接な関係を有するインテリジェンス。その複雑かつ多様な世界を理論的に概観した作品です。学術的な内容と乾いた文体から、大学(院)の教科書でも利用されそうな一冊だなという印象を受けました。2021/08/24

研修屋:城築学(きづきまなぶ)

2
s図書館から。内容には学びがあるが、専門性が高くて、時間切れでございました。 ★★★☆☆2022/05/04

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