新潮文庫<br> 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

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新潮文庫
警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

  • 著者名:鹿島圭介【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2021/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101362816

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内容説明

1995年3月、日本中を震撼した国松孝次警察庁長官狙撃事件。特別捜査本部を主導する警視庁公安部がオウム犯行説に固執する一方、刑事部は中村泰なる老スナイパーから詳細な自供を得ていた。だが、特捜本部は中村逮捕に踏み切らず、事件は時効を迎えてしまう。警察内部の出世とメンツをかけた暗闘や、中村の詳細な証言内容など極秘捜査の深層を抉るノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

223
これはひどい事件だなと思った。犯人が分かりながら最初の思い込みに囚われるとこうも混乱するのだなと知った。特にトップの人は自分の出世が出来たので逆に真犯人を庇ってるのでは?と勘繰りたくなるほど憤りを覚えた。しかし中村という人物に興味が出てきた。2016/03/20

yoshida

93
ネットで知り興味を持った作品。国松警察庁長官狙撃事件。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教への捜査が進む中で起きた未解決事件。警察のトップが白昼狙撃される。当時の報道ではオウム在家信者の警察官に疑惑が向けられていた。実際はオウムによる犯行として立証出来ず時効となる。操作の裏で現金輸送車強盗事件で逮捕された中村泰が狙撃事件の犯行を自白。自白を裏付ける証拠はあるも、オウムの犯行のスタンスを変えない公安に黙殺される。この頑迷さと無駄。今更、捜査方針が間違っていたと言えない警察トップの面子を優先した未解決事件。2022/05/04

ケンイチミズバ

81
組織のメンツ。あっちはあっち、こっちはこっち。トップは東大か京大法学部卒にして配下は風通しのない情報共有のないポンコツ組織。ミスや誤認だらけの警察の姿が炙りだされている。世がオウムによるテロ事件で沸騰する中、これもオウムに違いないという思い込みで突き進んでしまった。真犯人しか分かり得ない自供は物証も目撃証言との矛盾もない。元信者警察官の犯行ありきで繰り返された失敗。教団幹部の証言、死刑が確定して今更この事件だけを否定しますか?やってないものはやってないんですに耳を貸さない公安。だから冤罪もなくならない。2024/07/11

ntahima

56
最初に頭に浮かんだのがデ・ニーロ演じる『タクシードライバー』の孤独な主人公。読み進める内に、戦争でも始めるかのような人間武器庫振りに“ランボー”の原作『一人だけの軍隊』を思う。それなら、その謎に包まれた地下活動と卓越した射撃能力はゴルゴ13か?但、本書は純然たるノンフィクションであり、彼も銀幕のヒーローではなく、一介のテロリストかつ犯罪者に過ぎない。銃器密輸と要人テロを完璧にやってのけるにも拘わらず、寄る年波に勝てず接近戦には弱かった。東大中退でノーベル賞級の頭脳を持ち、チェ・ゲバラを夢見た老詩人の半生。2012/12/13

ノンケ女医長

45
警察庁の最高位、長官が狙撃された事件。近い距離から銃弾3発を受け、術中に3回の心停止。2か月半後に公務へ復帰するという、警察の威信を背負った体力と気力の持ち主。この事件は10年以上前に公訴時効を迎えた未解決事件。本の出版は平成24年で、著者の事件に対する尋常でない熱意と、批判を読むことができる。本の後半は国防や武器に纏わる、ややマニアックな知識が多く紹介され、この記述は犯行、犯人の同定や事件推論に直結しにくいのではと思い、読み飛ばした。警察庁長官の狙撃という点に大きく絞って、次作を刊行して欲しい。2023/07/20

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