新潮文庫<br> 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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紙書籍版価格 ¥605
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新潮文庫
歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

  • 著者名:鳥飼玖美子【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 新潮社(2021/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101459219

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内容説明

原爆投下は、たった一語の誤訳が原因だった――。突き付けられたポツダム宣言に対し、熟慮の末に鈴木貫太郎首相が会見で発した「黙殺」という言葉。この日本語は、はたして何と英訳されたのか。ignore(無視する)、それともreject(拒否する)だったのか? 佐藤・ニクソン会談での「善処します」や、中曽根「不沈空母」発言など。世界の歴史をかえてしまった誤訳の真相に迫る!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黒井

19
21-17】同時通訳者の本を読むのは米原万里さん以来かな。本作は外交上で物議を醸した出来事や歴史上の事件を中心に取り上げて、通訳者目線で淡々と解説する形式。通訳者の判断によって事実が捻じ曲げられた結果誤訳となって起きた事件を取り上げる三章と、太宰治『斜陽』の英訳等から文化そのものの翻訳の可能性を考える五章が特に興味深かった。惚れた海外小説を原著で読めるようになりたいと私なんかは安直に思うけれど、ただ言葉の意味を認識するだけでは本当の意味で読む体験になどなり得ない事を言葉のプロから説かれる重み。2021/02/02

やっさん

19
通訳の世界で活躍されている第一人者による、通訳・翻訳論と言ってもよい書。連合軍による無条件降伏勧告を黙殺した日本、それを"ignore(無視する)"と訳されてしまって…。日本人同士でしか共有しえない、言葉の裏側を汲み取ってもらおうとする外交は"歴史を変えてしまう"ことがあるのだな。中曽根首相の「不沈空母」発言など、通訳者は会話の背景を事前に叩き込む必要がある一方、叩き込みすぎて訳が先走ってしまうこともあるという、繊細な仕事。単なる言葉の変換ではなく、文化の次元になってくる難しい仕事だな。2016/03/18

hanagon44

14
意図的なものも含めて誤訳で作られてきた世界の歴史の数々に衝撃を受けた。通訳を恣意的に利用し,巧妙な落としどころや,ある意味ごまかして煙に巻き,説明責任を果たしているようでぼかしている交渉事の奥の深さに戦慄した。今後無くなると推測されている仕事に通訳などがあげられているが,この本を読むと,それは果たして本当だろうかと疑問に思う。機械による翻訳は,様々な文化背景を的確に抽出し,対象となる言語にあった訳ができたと判断する基準すら内包できるのだろうか。それとも人間が機械側に近づき単純化していくのだろうか。2016/04/17

海恵 ふきる

13
通訳史上の事件や誤訳・名訳を具体例としてふんだんに紹介し、それぞれについて検討を加えていく。中でも、外交上の配慮から意図的に誤訳された例は興味深かった。あえて曖昧な訳にすることで国内の混乱・批判を抑える一方で、実際にはどんなことが協議されているか分からないままに、国民は置いてけぼりを食らう。また、どこまで相手の文化を考慮して訳すかは難しい問題だが、ドナルド=キーン先生の英訳には感嘆した。日本語と英語の両言語に精通しているからこそできる芸当である。通訳という行為について、様々な示唆を与えてくれる本だった。2021/11/22

Nobu A

13
国益が関わる外交等で実際に起きた誤訳を紹介。国内では幕末の通詞、海外ではメキシコ制服にスペインに力を貸した通訳者まで遡る。様々な翻訳論や歴史を俯瞰しながらの翻訳者の在り方等まで話が及び、鳥飼先生の考察が非常に示唆に富む。文化的背景も知らなければ、訳出困難な表現。一方で、文化の架け橋として訳出を試みる努力。翻訳は奥が深く、意義がある営み。なければ、今のグローバル化はなかったはず。日本人同士だって誤解は多々生じる。外国語だと尚更。本著を通して言葉の大切さを痛感。読みたい引用本も多数。興味を掻き立てられた良書。2019/06/01

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